『ハンナ・モンタナ/ザ・ムービー』を観る。ディズニーのアイドル映画である以上、ひねった内容があるわけではもちろんなくて、アイドルと高校生の秘密の二重生活を送るハンナが都会生活のなかで増長し、田舎に戻って次第に自分を取り戻す、という。ヤマ場はアイドルと素顔の少女を早変わりしながらこなすデートのドタバタであり、秘密を暴こうとする記者には容赦のない悪戯を仕掛けたりするお約束もちょっと笑えない。全体が空恐ろしい妄想で成り立っているので、大人が真面目に観るのはちょっとつらい感じである。ディズニーはリンジー=ローハンを生み出してしまった道徳的反省からこのような物語を作ったに違いないが、どうやら問題の本質がわかっていない。