レギオン

white『レギオン』を観る。ハリウッドには砂漠のダイナーに籠城してモンスターと戦うというパターンの映画があって、籠城を続けるうちひとりまたひとりと犠牲になっていくというのが常道なのだが、本作もその類型にピタリと嵌り、どこに出しても恥ずかしくないB級映画の設定を踏襲している。
一方、映像は多少、暗いというところがあるにして、それなりに作り込まれており、見た目の貧乏臭さはないし、超常的な闘いにしては銃器も十分な威力があるらしくてドンパチも普通に行われ、何しろ、役者はわりあいに大物が揃っていて、ポール=ベタニーとデニス=クエイドのほか、『TOKYO DRIFT』のルーカス=ブラックとか、『グレイズ・アナトミー』のケイト=ウォルシュとかが出演しているので、見応えというのはそれなりにある。
ポール=ベタニーは大天使ミカエルの役ということになっているのだが、出現の仕方といい、その後の展開といい、『ターミネーター』を想起させずにはおかない設定。悪役を振られているのは大天使ガブリエルなので、何というか、よくよく考えるとかなり瀆神的なのである。要するに『トレマーズ』と『ターミネーター』を合わせて、背景に黙示録をおいた話といえば、かなりのところが説明できるのではあるまいかという気がする。そのあたりで納得はしているのだが、結末までイタダキであるところを見ると、さすがにどうかと思う以前、何だか笑ってしまう。