『ワナオトコ』を観る。もちろん本邦未公開。何だかよくわからない邦題だが、屋敷に侵入して家中にワナを仕掛け、マンハントをするというサイコキラーの話で、そのまま「罠男」なのである。原題は『The Collector』だが、イメージは『ワナオトコ』が近い気がするし、そもそも理不尽な話であるわけで、わけのわからなさも含んでいるというあたり、邦題のほうが「深い」という希有な例である。
監督は『ソウ』のシリーズを途中から手がけている人らしく、内容もR18+なのでとにかくグロテスクである。肉体損壊を普通に映像化する神経なので、話のほうもとにかく殺伐としている。一方で、閉鎖環境でのサバイバルをそれなりに手堅く描いていているので、要領のよい屠殺場に迷い込んだような感じであって、もちろん気持ちのいいところはまるでない。
キャストもほぼ無名という役者で構成されているが、主人公の三白眼はちょっと濃くて印象に残る。貧乏なショーン=ペンみたい。