テレビで『スピード』をやっていて、日曜洋画劇場を久しぶり始めから終わりまで通しで観てしまう。そういえば最近、ヤン=デ・ポンの消息を聞かないが『スピード2』の大コケが痛手となって地盤沈下を起こしたということらしい。改めて『1』の方を観ると何で『2』の結末がああいうことになったのかというあたりに思いが至るのだが、『1』が面白いのはキアヌ=リーヴスの活躍ゆえであって、おっさん顔のジェイソン=パトリックが代役を務めるというのにはそもそも無理がある。
それはいいとして、『スピード』自体はバスを舞台としたアクションが全体の六割といった感じに実は抑えられているがゆえに密度高く弛みが感じられず、テンポのいい話である。ダレ場がないので、つい観てしまうのだが、これも1994年の作品で、いやはや、月日の流れるのは言うまでもなく速い。
脚本のグレアム=ヨストは『バンド・オブ・ブラザース』にも一部関わっていて、全編中の名作というべき第七話『雪原の死闘』も手がけており、なかなかに才気があるのではあるまいかという気がする。