『サバイバル・オブ・ザ・デッド』を観る。これもまたジョージ・A=ロメロによるゾンビ映画で、『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』で追い剥ぎに身を落としていた州兵たちが孤島に渡って閉鎖社会の権力争いに加担する。相変わらず人間の営みはしょうもないので、シニカルといえばシニカルであり、つまりは全編ロメロ調であって、やはり観る者を選ぶ。西部劇調の舞台装置でゾンビ、というあたりは目新しい趣向と言えなくもなく、このあたりの設定としての懐の広さはさすがゾンビという感じはあって、こうした土壌の上に『WORLD WAR Z』が生まれたと思えば、これは紛れもなく文化の一分野であろうという気がする。