『ケース39』を観る。レニー=ゼルウィガー主演のホラーで、最近の作品では『エスター』と似ているが、超常的な力を導入しているという点が大きく異なる。こうした設定では普通だともう少し宗教的な色彩が入ってくるのだが、そうしたディテールは一切なくて、「悪い種」というテーマを小細工なしに料理しようという意気が窺える。実際、作りは真面目そのもので、仰け反るほどの怖さはないが、演出や構成は手堅く、古風であり、サスペンスとしての出来もそこそこであろう。レニー=ゼルウィガーは一介のソーシャルワーカーという役回りにしては高飛車であり、協力者の刑事が気の毒になるくらいだが、追い詰められていく様子をよく演じて自家薬籠中といった感じ。