発注から1週間、11インチのMacBook Airが届いたので、早速これをセットアップする。噂には聞いていたというやつなのだが、何これ速い。その実力は資料のたっぷり入ったEvernoteを開いたとき、あるいはVMWare Fusion上でWindows XPを走らせた時によくわかるのだが、i7(おまけにHDD 7200ppm)のMacBook Proでさえ感じる若干のもたつきを体感することがないのである。もちろん、このたび速度向上を果たしたOffice 2011だって、何の問題もなくサクサク動く。Pagesがワンバウンドで起動する。言うなればトルクの出力が高い。これは既に多くによって言及されているSSD性能の良さに由来することは間違いないと思われ、CPUの能力というものはボトルネックによってずいぶんと制約されているのだということがわかる。何しろこれに載っているのは1.4GHzのCore2Duoなのである。
PCの製造業というものは、言うまでもなくデコンストラクションが進み、水平分業に移行した世界ではあるのだが、アップルのこの仕事によって、今後インテルはCPUとチップセットだけではなく、SSDまでビジネスを拡大していくことが必要になるだろう。ことによるとCPUそれ自体の処理速度競争を否定しかねないこうした方向は無論、望むところではないにして、世界はこの方向に進む。既にこの感覚を体感してしまった以上、戻ることはできないからである。すごいな。
全体の質感が高いことは言うまでもなく、キーボードも微妙にMacBook Proとは異なるのだが実にいい案配で、母艦がある以上、ストレージの容量もそれほど気にならないので文句をつけるところがない。電源スイッチは新たにF12の横に配されているのだが、これは電源を都度、落とすことなしに運用すべしというメッセージであり、もとよりその姿はフタのついたiPadのようでもあって、Back to the Macとは誠に至言であると思ったことである。