プレデターズ

frog『プレデターズ』を観る。全体にゲームのシナリオのようなこのチープな感じはいかがなものか。そもそもエイドリアン=ブロディがマッチョの役をやっているあたりにかなりの無理を感じるのだが、どうしてこうなった。
名作『プレデター』と同様のジャングルで(だがしかし、これが異星という設定だよ。やれやれ)同様のサバイバルをしようという趣向だが、編成された部隊が敵に遭遇するという設定だった元祖とは違って、それぞれ一芸を持った殺しのプロが謎の惑星に集められるというあたりに、いきなりどうしようもない幼稚さが漂っている。その登場人物も、順番に狩られるための属性が与えられているだけだという読みは最後まで覆されることがなく、このあたりの物語構造は元祖『プレデター』と同一であるにもかかわらず、だがしかし緊張感は『プレデター』の足下にも及ばない。
そうはいってもローレンス=フィッシュバーンが出てくるあたりから話は変容するのだが、登場人物は皆プロであるという設定であるにもかかわらずその言動は覆いようもなく素人臭いので、まず説得力というものがない。説得力を言うなら、惑星の様子はその生態系があたかも地球のようであるという点で外形上の現実感を付与されているのだが、そもそも異星の植生が地球と同様ということにもまるでリアリティがなく、細部の有り様がより上位の設定と衝突しているというあたりが、全体の無理を象徴している。要するに、すべてが行き当たりばったりで構想されているという疑いが拭えない。