『ザ・サイレント・ウォー』を観る。西部戦線における坑道戦という、ちょっと珍しい題材を扱った作品で、クライマックスには史上最大の爆発となったメシヌの戦いがあって映画的な見どころも多い。オーストラリア映画なので役者には馴染みがないのだが、それなりにお金がかかっている印象で、舞台装置にも嘘くさいところがなく、小隊メンバーのキャラが立った脚本は考えられたもので、よくできている。B級映画っぽいタイトルにもかかわらず、ちょっとした大作なのである。雰囲気はむしろ欧州戦線っぽいという感じがしないでもないのだが、悪くない。史実は映画以上に興味深く、準備に二年半をかけたこの大爆発が緒戦に過ぎないというのだから、現実の戦争というものはやはり底無しの消耗なのである。