スプライス

green『スプライス』を観る。開巻の数分は気合いの入った様子で「おお」という感じがあるのだが、かなり急激に失速する。遺伝子操作で誕生した新生物を科学者の夫婦が匿いながら育てるという縦軸にアダルトチルドレンの連鎖という設定を加えたストーリーはそれだけでも陳腐な印象なのだが、登場人物は動機が不明なままに異常な判断を進め、その不可解な意志決定がレベルの低い言い合いによって強引に実行されるという具合で、この不毛な104分はまったくいかがなものか。このあたりは脚本の段階から見えている粗であるはずで、エイドリアン=ブロディもよくよく仕事を選んだ方がいいと思うのだが、このところのB級ぶりはわざとやっているようにしか見えない。