『ロビン・フッド』を観る。『キングダム・オブ・ヘブン』もそうだったが、リドリー=スコットの時代ものというのは舞台の時間軸の選択が絶妙であって、今回は獅子心王リチャードと欠地王ジョンを繋ぐ時間帯。この二人を主要な人物として登場させながら、描くは「いかにしてロビン・フッドとなりしか」というあたりで、バットマンでいうなら『ビギンズ』にあたる。これまでに幾度となく映画化されている題材の料理法としては考えられているし、もとよりロビン・フッド伝説自体にはあまり関心がないに違いなく、もちろん史実には敢えてこだわらず、というか当然のことながら完全なフィクションであり、陰謀あり冒険ありという展開があって、140分があっという間。実に面白い。
テムズ河の遡航シーンはイマジネーションを刺激するし、クライマックスの上陸戦はもちろん13世紀的にはあり得ないスペクタルであって素晴らしい。