ザ・ライト

summer『ザ・ライト』を観る。エクソシストを題材にした映画に、いまさらアンソニー=ホプキンスもないだろうという気がしたのだが、これが意外な拾いもので、ちょっと本格的なつくりになっている。冒頭、アメリカに始まる物語はやがてバチカン市国にその舞台を移し、オールロケという感じの画面はそれなりにお金のかかった様子で安っぽさがない。主人公はアンソニー=ホプキンスにあらず、テレビ俳優のコリン=オドナヒューの銀幕デビュー作品ということになるのだろうが、生真面目な風貌が信仰に疑いを持つ神学生という設定に合っていて、なかなかいい感じ。アンソニー=ホプキンスは老練なエクソシストを演じていて、クライマックスはレクター博士を彷彿とさせる熱演でなかなか楽しそうである。ストーリー展開はありがちとはいえ、悪魔祓いそのものではなく信仰の獲得に力点を置いた脚本はなかなかよく出来ていて、細部の行き届いている感じが気持ちよい。