『ホワイトカラー』のDVDのオマケに入っていた『スパルタカス』の第一話を観る。剣闘士もの、というのは一定の支持を得られる分野のようだが、血と艶が優先される世界であるので、もちろん考証というようなものは脇におかれていて、ほとんどローマ風ファンタジーであり、細雪舞う北の戦場でもほぼ半裸という衣装に至っては、観ているこちらが寒くなる。『300』風のストップモーションによる戦闘シーンとCGの血糊は派手なもので、現実味がないといえばないのだが、R指定とはいえ、このあたりの描写には慎みというものが全く感じられない。このドラマを観る者は、つまりコロセウムの観客と同じく見世物化された殺戮を視聴するという皮肉な入れ子構造となっているのだが、無論のこと批判的な立場から制作しているわけでもないようなのである。
主人公を演じているアンディ=ホイットフィールドは、シーズン2の制作途上に病で亡くなったということだが、いかにも若い。