『SUPER 8』を観る。考えてみれば、『スター・トレック』とか『クローバーフィールド』とか、J・J=エイブラムスの映画はかなり好きなんだけど、この映画もその8ミリ愛だけで評価せざるをえない。
いろんな映画のいろんな要素を詰め込んだ映画であるからには観ているだけで楽しいのだが、実は観客の理解を助けるための非常に細かい配慮がなされており、このあたりの行き届きかたには感心する。ストーリーが分かり易いとすれば、それは演出上の心配りによるものなのである。
そういう意味では、もちろんジュブナイルとしてよく出来ているのだが、あの年の夏、8ミリで映画を作った経験のある四十男なら数倍は楽しめる仕掛けであって、もちろんアリスはおらず、仲間も三人きりだったけれど、借り出した機材で作った短編映画を懐かしく思い出したのだった。ジム=ジャームッシュのあからさまな影響を受けたそれに比べれば、ロメロのほうが、ずいぶんと可愛げがあるというものだが。