サンクタム

remains『サンクタム』を観る。パプアニューギニアの奥地で前人未踏の洞窟を探検している一隊がサイクロンの到来で出口を塞がれ、海に通じる出口を求めて地下を彷徨うという話。もとは3D映画として上映されたという話で、3D効果の関係からかいくぶん明るめの画面であり、地獄のような地下であるにもかかわらず、登場人物はノースリーブで肩を晒していたりして、状況と描写に微妙に齟齬があるような感じが拭えず、そういう意味ではリアルな恐怖はないのだけれど、助けが来るはずもない場所で遭難という設定だけでも勝手に震え上がっている。出口のない水路で窒息という救いのなさは、宇宙を永遠に墜落し続ける竹本健治的恐怖と並び、魂を凍りつかせる。やだやだ。
サバイバル映画としてのアイディアは想定の範囲にとどまっているし、予想通りの展開といえなくもないのだけれど、それなりに切迫した場面はあって、飽きず観ることは出来る。水準作。