『ディープ・インパクト』を観る。かれこれ10年ぶりくらいかも知れないけれど、長い月日をかけて繰り返し観るうち、この地味な展開にもなかなか味があるじゃないかと思うようになったわけである。ティア=レオーニの演じたレポーターもイライジャ=ウッドの高校生も、英雄的でないどころか浅はかで嫌な奴というあたりの評価は不動なのだけれど、そういうものだと思ってみれば、どうということはない。CGだって、劇中に登場するブラウザがNetscapeレベルであることを考えれば、そこそこ頑張っているほうであろう。
これが『2012』となれば、生き残りをかけて中国の奥地に作られる船の切符が金銭で売買されるようになるのだから、この10年ちょっとの間に人類の価値観というのも相当、歪んでしまったようである。そしてこのあたりは妙に納得がいって興味深い。『ディープ・インパクト』に登場する生存計画は、それに比べると『地球最後の日』的に古風なものであって、いろいろと中途半端なところはあるにしても比較的には好ましくみえる。