『マネーボール』を観る。『ツリー・オブ・ライフ』に引き続きブラット=ピットの出ている映画だが、マッチョな威圧感を漂わせていた父親役の印象とは全く異なる感じで、こちらのブラピは端的にカッコいい。いい役者である。
2002年のオークランドアスレチックスの20連勝をクライマックスに、セイバーメトリクスの導入によって科学的なチーム編成を目指すゼネラルマネージャーの奮闘を描くという筋書きだが、主人公のもつ個人的な葛藤やジンクスが物語的な展開によく練り込まれていて、華美に走らずという感じの語り口は悪くない。それこそ、懐かしい『メジャーリーグ』みたいな内容だってあり得たはずだと思うのである。
戦略は正しいという信念だけが頼りの現場の抵抗勢力との死闘、なかなか出ない結果という状況に、一体どれほどの戦略スタッフが落涙したかは知らないが、個人的にはツボな感じであって、いやもう何というかね。