『ミッション:8ミニッツ』を観る。『月に囚われた男』でちょっと渋い宇宙ものを手がけていたデヴィッド=ボウイの息子、ダンカン=ジョーンズがハリウッドに進出して手掛けたサスペンス。『デジャヴ』を想起させる設定の反復体験もので、だがしかし、あのような大作のオーラはないのだが、定石を外したところもないので普通に楽しめる。パラレルワールドに関する細かい辻褄に目くじらを立てないという前提において。陳腐化したイメージが固着しがちの題材を再構築して何となくまとまりのよい映画にすることに再び成功しているのは恐らく資質によるものであり、手堅いタイプの監督みたい。
ジェイク=ギレンホール、ミシェル=モナハン、ヴェラ=ファーミガという主要キャストも実力派揃いという印象で渋い。