『パレルモ・シューティング』を観る。ヴィム=ベンダースによるファンタジーだが、題名の通りイタリアのパレルモを舞台に、年齢的には中年の危機を迎えた写真家が飛来する死の矢をかわしつつウロウロするという、例によってわかったようなわからないような不思議な話。いや、わかりやすいといえば極めてわかりやすい話で、つまり死についての象徴を散りばめてフィルムをつくるとこういう感じになるであろう。主人公が最後に付託された内容を考えれば、もちろん愛ではなく、死に関する映画であることには何の疑問もないわけで、ヴィム=ベンダースもちょっと弱ってきているのかと思ったら、全然そんな感じではないみたい。