『カウボーイ&エイリアン』を観る。『アイアンマン』のハッピー・ホーガンことジョン=ファブローが監督を務めており、ダニエル=クレイグが記憶をなくした流れ者、ハリソン=フォードが悪辣な元植民地軍大佐。より噛み砕いていうと、ジェームズ・ボンドとインディ・ジョーンズが共演した西部劇というわけで、これで面白くなければ嘘、という話なのだが、真っ赤な嘘なのである。まるで面白くない。原作のグラフィックノベルは知らないが、西部劇とエイリアンものの融合というアイディアは、概ね岩石、荒野と光量の少ない夜間といった画面の印象に帰着して非常に単調なものとなっている。ジョン=ファブローは珍しく自作にカメオ出演しなかったようだが、この出来は本人としても不本意であったに違いない。何しろ見どころというものがないのである。完成までにえらく時間がかけられた作品ではあるが、残念ながら着想が悪かったということであろう。