『小悪魔はなぜモテる?!』を観る。『ラブ・アゲイン』にも出演していたエマ=ストーンが主演で、同様にホーソーンの『緋文字』が使われていたりする。なりゆきで「進歩的」というレッテルを貼られた娘が学校生活で苦闘するというコメディ。文脈的にも『緋文字』は重要なアイテムになっているのだけれど、それに違和感がないくらいには保守的なティーンエイジャーのあり様がベースにあって、意外にもしっかりとしたアメリカ社会の道徳基盤を確認しようという映画なので、実はディズニー製作といっても不思議ではないくらい安心して観れる。もちろん、ミソジニーの観点からはいろんな指摘が可能であるとして。
パトリシア=クラークソンが母親、スタンリー=トゥッチが父親という、どう考えても開明的な家庭で育ったエマ=ストーンが目立たず、ラジカルでもないという、ある意味で強引な設定が全体を支えていて、脚本のバランス感覚にはちょっと感心する。