第7鉱区

winter『第7鉱区』を観る。済州島南の深海あるいは九州西の深海の石油開発事業という、地政的にはちょっと微妙な題材を扱っているけれど、内容としては政治色のないモンスターパニック映画なので深く考えないほうがいい。冒頭こそ深海作業の描写があるにして、物語はほぼ海上の掘削基地において進行し、閉鎖状況において未知のモンスターと戦うというパターンを踏襲しているので、どうかすると『エイリアン』だの『ザ・グリード』だのといった前例を思い浮かべるのだけれど、こうした先行作品を越えるイメージは一切ない。画面の印象は本邦の『ジュブナイル』、一時期の山崎貴監督作品を彷彿とさせ、つまりセットを中心とした特撮手法を主軸に据えているので画面に代わり映えがしないうえに貧乏臭く、脚本は陳腐で、役者は演技というものとは訣別した様子であり、のっぺりと暗い画面は嘘っぽいばかりで見どころというものがない。最近の韓国映画といえばハズレが少ない印象ではあったものの、やはり玉石混淆なのは仕方がないにして、異様に邦画っぽい本作がどうしようもないほどダメダメというのは残念なことである。