久しぶり、少し早めの帰り道、空は俄かに掻き曇り、大粒の雨が続けざまフロントガラスを叩く。日中は夏らしい空だったので、風情ある夕立というやつで、空気には雨の匂いもしたのだが、程なくその降りは勢いを増し、上り坂を濁流となった雨水が流れてくるに至って、事態はいわゆるゲリラ豪雨の様相を呈する。何ごとも中庸を愛する人間としては、この振幅の大きさにはいささかついていけない。