『50/50 フィフティ・フィフティ』を観る。ラジオ局に勤める主人公に悪性の肉腫があることが判明してからの闘病を素材にした映画で、お気に入りのジョセフ=ゴードン・レヴィットが主演。『宇宙人ポール』ではポールの声をあてていたセス=ローゲンが、これまた野卑なタイプだけれど本当は優しいという設定で主人公の親友を演じている。最近観た映画では『私だけのハッピーエンディング』がやはり同じような話で、主人公が医者と恋仲になっていったり、微妙な距離感で母親を疎ましく思っているというあたりまで似ているけれど、結末にかけてはだいぶ異なる。作劇としてはこちらのほうがオーソドックスだし、考えてみれば特に変わった展開があるわけでもなく、エピソードはほぼ類型というべきだが、語り口には滋味があって飽かず観られる。役者は皆、いい仕事をしているが、アナ=ケンドリックのセラピストもちょっとよくて、彼女が意外な演技派であるということを発見したのは収穫。