『エンド・オブ・ザ・ワールド』を観る。どこかで部分的には観たことがあったのだが、208分の完全版で、言うまでもなく3時間半もあるものだから、もうやたらと長い。オーストラリアのテレビ映画だからメリハリというものが欠けているのかと思えば、いやまて、核戦争による世界の終末を扱ったこれはネビル=シュートの『渚にて』の現代的な翻案であり、よくよく考えればこの長さも、その原作のエピソードを結構マメにフォローした結果なのである。結果、描かれる放射線障害のイメージまで、いろいろと問題のあるシュートのそれに似てしまっているとはいえ。
テレビ映画なりの直截的な表現は、味わいというものが薄くて、以前だったら途中で根をあげる感じではあるのだが、何しろ放射能汚染によって滅んでいく世界の話であれば、それなりに身を入れて観られるというのが現実の残念なところで、人々が放射能の到達に怯え諸説飛び交うあたりには若干の既視感すらあって、ちょっとしゅんとする。