『アベンジャーズ』を観る。近年のマーヴェルのヒーローものは欠かさず観ているので、集大成というべき本作も観てしかるべきとは言えようが、スターシステムの面白さというのはさりげなく示された関係性にこそあって、皆を集めたからといって面白さが増すわけではないと思えば、どうなのかという気がしていたのだけれど、やはりといえばやはり、何だか脂っこい仕上がりになっている。そもそも比較的マイナーであるはずの『マイティ・ソー』を観ていない人はどうするのかとか、S.H.I.E.L.D.という費用対効果の悪そうな組織について予備知識がない人はどう観たのかとか、気にはなるけれど、結局のところ異世界からの侵略ものとしてよくあるパターンを踏襲した話なのでつまらない心配をしても始まらない。『日本よ、これが映画だ』とかいう宣伝用の惹句に反応している人が多かったけれど、ある意味、典型的な娯楽映画ではあって、ヒーローそれぞれの活躍がバランスとして考慮された脚本にはちょっと感心したのである。
看板のアイアンマンの活躍は当然として、映画化では常に紆余曲折あるハルクを演じているのが今回はマーク=ラファロとなっていて、エドワード=ノートンのやつも嫌いではなかったけど、今回は変容後のCGにも当人の痕跡を留めて何だかずいぶんと似合っている。加えて、グウィネス=パルトロウのポッツもちゃんと出てくるので、こちらとしても不満は残らない。