リンカーン弁護士

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マシュー=マコノヒーがカッコええ

『リンカーン弁護士』を観る。マイクル=コナリーの原作であるからには、もとより安心というものだが、マシュー=マコノヒーが演じるちょい悪い感じの有能弁護士というのはとてもよくて、『10日間で男を上手にフル方法』以来の当たり役という感じ。
ちょっと懐かしめのオープニングからワクワクさせてくれるのだけれど、冒頭の15分でやり手の主人公を紹介する手際はよく、ある種の定型とはいえ、であるがゆえに期待を裏切らないカッコよさでシビれる。
検事の元妻がマリサ=トメイである。職業的な対立がもとで別れたが、どうやらまだ憎からず思っていて良い関係が続いているというあたりもお約束だし、協力者の調査員にウィリアム=H・メイシーが配されていてこれもいい味を出している。胡散臭い保釈保証業の男にジョン=レグイザモとか、キャスティングは秀逸でこの映画の魅力のひとつであろう。

ストーリーは捻ってある

定型を外さないキャラクター設定の一方、物語の展開は意想外の面白さがあり、法廷ものとしても高水準といえ、なかなかのものだと思うのである。このあたりはもちろん原作の功績であろう。未読ではあったけれど、読んでみたいと思ったことである。
惜しいところがあるとすれば、2時間にするには濃度が高すぎ説明不足のところがなきにしもあらずといったことぐらいで、テンションを保った内容は実に面白い。お勧め。