ソフトウェアキーボード礼賛

外付けのキーボードもいいのだが

年末にiPad用のキーボードを買って、それはそれでなかなか重宝ではあるのだけれど、ひとしきりハードキーボードでの入力を試してみた結果として、ソフトウェアキーボードというのもなかなか快適なものであるなという気になっている。
実際、iPadの入力環境として一番しっくりくるのはWriteRoomをソフトウェアキーボードで使ったときの印象であり、この文章もそうして書いている。
iPadの画面をちまちまとつつくことを良しとしない風潮が世間の大勢であるというのは残念なことではあるが、同じソフト入力でも、評判の良いATOKPadは肝心のキーボードのデザインがイマイチな印象で使う気にならないので、当方としても絶対ソフト主義を貫こうという立場ではない。ただ、使い慣れてみると、デフォルトのこれは相当に考えられたシロモノだという気がするので、もう少し擁護論があってもいいのではないかと思うまでである。
風説によれば、このキーボードは単に物理的なキーボードを模して作られているだけではなく、その入力範囲も見た目とは異なるかたちでデザインされているということだから、意外にも快適ということがあったっておかしくない。そして最近の使用感はそうした仮説を裏付けている。

数ある美点

画面の下半分を占有するサイズは絶妙で、両手で打ち込みつつ日本語の変換候補を選択するのに快適な範囲に収まっている。iPad miniでどうなっているかは知らないけれど。
クリック音は控えめながら入力のフィードバックを伝えるに十分な働きをしていて心地よい。実際のクリック感がないことをさほど欠点にしていない気さえする。日本語変換も実はかなり賢くなっていて、固有名詞にも地味に強い。
キーの配置もよくできている。ソフトウェアインターフェイスの面目躍如というべき切り替えの妙があって、打鍵の効率はハードウェアに負けていない。
何より重要なのは、これらの特長が寝床で寝そべりながら使うには最適であるということであり、寝落ちして枕にしたところで壊れるところがないという安心感は無類であり、もしかしたらこれに尽きる。

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