生産性ツールというのは因果なアプリであり、そもそもそれが十分に働いている限り、新機能など不要なのであって、開発努力の方向は安定化に向かうべきなのである。
エディタというのはその最たる例で、多くがアドインによる機能充実化に向かうのは故なきことではないと思うし、個人的にはテキストに使うエディタはWriteRoomと定めて久しい。
そう言いつつ、いろいろダウンロードしては試してみているのも事実であり、これは純粋に趣味の範疇なのだけれど、以前、リリースされたばかりのころ購入したDaedalus Touchを再びインストールしてその進歩を確かめてみた。
ピンチとスワイプによるファイル操作を基本とする野心的なiOSエディタなのだけれど、あらかじめ危惧されるとおり、初期バージョンは相当にバギーでちょっと使えなかったのである。
久しぶりに弄ってみると、歳月の流れとともに安定性は増しており、当たり前とはいえ一度もクラッシュすることなく、感心するのは体感的なスピードが大いに向上していることで、正当進化の方向が確認できたわけだけれど、動作が洗練されるとともにもたげるのは、おおもとのコンセプトであるピンチとスワイプによるファイル管理の必要性であって、己が保守性がWriteRoomでいいやんかという声に抗する見解を持たない。