『エンド・オブ・ザ・ワールド』を観る。題名の通り、直径100キロを越える隕石の衝突によって人類が滅びようとしている地球の片隅で、スティーブ=カレルとキーラ=ナイトレイが出会い、それぞれの事情で道行きを供にして最後に向き合うまで。もちろん、その規模の衝突が起きれば地殻津波によって遍く滅亡ということになるのである。
日常のなかで終末を迎える映画としては『メランコリア』やら『4:44』に連なる話ではあるものの、鬱っぽさはスティーブ=カレルの演技プランにしか仕込まれていなくて、終末感は薄い。一方、脈絡のない展開がロードムービーとしての味を醸し出していて、このあたりの感じはちょっといい。ロマンチックコメディっぽい部分を取り払って、不条理で薄気味の悪い非日常の濃度を少し高めていたら傑作になっていたのではあるまいか。そういう趣旨の話ではないにして。