鈍獣 『鈍獣』を観る。宮藤官九郎が自らの戯曲を映画用に書き換えた脚本をもとにCM出身の監督が映画化したという触れ込みだけれど、それを知らずとも冒頭から中島哲也みたいな感じの画面で何だか技巧に走ったような印象がある。この物語の面白味というのは、殺したはずの男、殺しても死なない男が何度も舞い戻ってくるという怪談話の類型構造にあると思うのだけれど、既に手垢がついた画面表現に熱心なあまり、落語のネタを漫才にしたような違和感があって、結局のところ感心するところがない。 共有:TwitterPrint