『なくもんか』を観る。クドカン脚本、阿部サダヲ主演。下町人情劇を阿部のいつものテンションでやろうという趣向で、事件があっても話が町内の範囲であるうちは何となく収まっているのだけれど、クライマックスは何故か沖縄に話が飛んでしまうので、このあたりのグダグダぶりはちょっと意外な感じすらすることになっている。『木更津キャッツアイ』の映画を思い出した。そう考えるとクドカンの脚本はどこまでも舞台劇のそれであって、天地が広がっていると突然、距離を見失うようなところがあるのだけれど、経験的にはその感想にも一定の裏付けがあって、向き不向きというのはやっぱりあるみたい。
ヒロインは竹内結子で、キレる場面の絶叫ぶりはなかなか堂に入っていて印象に残る。いろいろあっても、いきものがかりによる同名のテーマソングはかなり強引にハッピーエンドを演出して、まあええかという感じ。