流行

このところ中国では子供の肺炎感染が急増しているというニュースをよくみるけれど、もちろん制約なしのインバウンド急増によってこの事態は国内にも速やかに伝播するに違いないのである。インフルエンザ、RSウィルス、プール熱とあらゆる感染症が流行する状況を、パンデミックがもたらした免疫負債の反動的な発現と看做していいのか、よくわからない時間帯に世界はあるが、何もかもがこれまで観察されていなかったような状況ではあって、つまり既に何が起きてもおかしくないことになっている。この時点では正常性バイアスを排するための、意識的な工夫が必要だろう。

半蔵

『どうする家康』は12月を前に、徳川を脅かす秀頼の才覚と方広寺鐘銘事件を描く回。当たり前だけれど、これまでの大河ドラマとは異なる文脈で話はすすみ、こうなると『真田丸』の配信が停止されたままなのは残念至極。『鎌倉殿の13人』は再開されたのに、『真田丸』も『いだてん』も止まったままというのはいったい、どういう判断によるものなのか。それはそうと、山田孝之が演じていた服部半蔵正成はフェードアウトしたきり、この時点では病没しているみたいなのだけれど、大坂の陣にはやがて改易されることになる三代目服部半蔵が同じ山田孝之で登場するエピソードが欲しい。

この前日、ガザで発効した停戦にあわせ人質の交換の1回目が行われる。まさに交換ということで、イスラエルが捕らえていた人質が釈放されたというのだが、これはいったいどういう経緯によって囚われた人たちなのか。イスラエルの所業についての説明はあまりにも少ない。 

20年

この日、八ヶ岳にも雪が被ろうかという様子があって、かねて予約のタイヤ交換に出掛けてスタッドレスタイヤを装備する。帰りがけに洗車もして、既に年さえ越せそうな感じ。夜は久しぶり、20年前のプロジェクトの飲み会で上諏訪周辺の中華。さすがに皆、歳をとったけれど、変わらぬ部分は変わらずあって楽しく紹興酒を飲む。昔話は害がなくていいのだが、すぐに名前が出てこなくなっている人たちの会話なので、集団知によってそれを思い出すクイズみたいになっている。

叫び

ウェス=クレイブン監督没後の企画として2022年にリブートした『スクリーム』は劇場版通算5作目の映画として、それなりに面白かった記憶があるのだけれど、その後の『スクリーム6』は本年、日本での公開は劇場スルーとなって配信が開始されているらしい。そっちは未見。『スクリーム』(2022)の続きが『スクリーム6』となるややこしさには、まぁ、そうなるわなという感じがするけれど、新たにキャスティングされてリブートシリーズの主役サムを演じているメリッサ=バレルが、インスタでガザの窮状を投稿したところ『スクリーム7』のプロジェクトから降板させられたということが話題となっている。

紛れもなく、ガザの現状は強制収容所を彷彿とさせ、起きているのは子供を被害者とする虐殺に違いないのだが、イスラエルの自衛権への言及なしにこれを指摘することは何らかの社会的なコードに抵触するというのが米国の現状ということらしい。社会的な分断はさらに深刻となり、いよいよトランプの再来に現実味が出てきた。

勝敗が決まる瞬間 2023

『勝敗が決まる瞬間(とき) 2023 〜ドキュメント 小倉百人一首競技かるた高校選手権〜』を観る。何やらかっこいいタイトルがついているけれど、内容は副題が余すことなく説明しているNHKのドキュメンタリー。BSをつけたらやっていたのだけれど、ちょっと劇的な演出で『ちはやふる』の世界そのものなので思わず最後まで。いや、あの漫画がこういう世界を現出せしめたのだと思うと、コンテンツの力というのは本当にすごいものだと感嘆せざるを得ない。ストーリーが世界を滅ぼすというのも、あながち大袈裟な話ではないのである。

この日、バイデン大統領は81歳の誕生日を迎える。加齢による執務への影響が不安視されるこの大統領への祝賀イベントは特に予定されていないということだけれど、共和党ではトランプが圧倒的な力を持つ状況が続き、その再選が現実的なシナリオとして語られるとあっては、いや本当に他に人材はないのかよ。

この日から急に冷え込み、車のフロントガラスには氷が張って今年初めて解氷剤を使う。山には積雪もあったようである。この先は次第に冬らしくなっていき、明日は氷点下になるようだから、秋もあっけなく終わってしまったみたい。

MKBHDのM3 MacBook Proのレビューをみて、スペースブラックの黒さにひとしきり茶々を入れた挙句、実際にM3を弄ってみて自身の注文をキャンセルしたという展開にわらう。このような率直な意見こそ人気の秘密だろうし、自身のワークフローに照らして冷静に評価を行うスタンスにも好感が持てる。ゲームをやるために、これほど高価なガジェットを買う人間はいないという意見もごもっとも。結局のところハイエンドのM1を使っている人間が、その差を体感できるような差はない、というのがこれまでの結論ということみたい。

カテゴリー5

先月、メキシコのリゾート地アカプルコに上陸して甚大な被害をもたらしたハリケーン「オーティス」についてのニューヨークタイムズのコラムを読む。唐突に出来したこの嵐の襲来の経緯については、よく知らなかったのだけれど、普通のハリケーンが予想を超え急速に成長し、いきなりカテゴリー5になったという感じに近かったみたい。台風によいとろがあるとすれば、事前に接近とその進路がわかるところだと思うけれど、避難する間もなく風速75メートルのハリケーンに放り込まれるのが地球沸騰化の時代であれば、災害のモードもこれまでの常識を超えてくるということなのである。

『無人島のディーバ』の続きを少しずつみていて、作りは悪くないのだけれど、韓ドラっぽすぎる話は今ひとつという感じ。しかし、パク=ウンビンは相変わらずの芸達者なので感心している。