日常の絶景

『日常の絶景』を観る。地味な会社生活を送っている写真好きの女性が、SNSを通じて交友の輪を広げていく。タイトル通り日常系のほんわかした話で、伊藤万理華が主演。この手の役回りが多いような気がするのだけれど、よく似合っているのである。富士フィルム調の淡いカラーグレーディングが施された画面の色調がいい。ストーリーはあってないようなものではあるものの。

今日もあなたに太陽を

『今日もあなたに太陽を』をシーズンフィナーレの第12話まで観る。冒頭から悪くない雰囲気で紡がれた物語だけれど、話がすすむにつれシーズン全体の構成が卓越していることがわかる。精神科医療という題材の難しさを正面から扱う気概が十分に伝わる物語で、啓蒙的なメッセージをいくつも重ねるストーリーには軽くなく、しかし重いばかりでない素晴らしいものである。誰もが観るべき作品といえるのではないか。年末も近いが、2023年の三指に入る。

時をかけるな、恋人たち

『時をかけるな、恋人たち』を観る。関西テレビのドラマのクオリティの高さよ。コメディエンヌとしての吉岡里帆は実に好ましいオーラがあって素晴らしいのだが、上田誠の脚本で時間ものの連続ドラマという企画がまず、際立っている。これに未来人っぽい喋り方ができる永山瑛太とあれば面白くないはずがない。時間ポップな美術も全体に優秀。伊藤万理華が出ているのも嬉しい。これは最後まで観るつもり。

今日もあなたに太陽を

Netflixで配信の始まった『今日もあなたに太陽を』を観る。精神科病棟に配属となったナースを主人公とした韓国ドラマ。難しい素材をどのように扱っているのかという興味での第1話だけれど、丁寧で生真面目な風合いで、印象は悪くない。BGMが最小限の演出は物静かな雰囲気で、垣間見えるユーモアも程よい。さすがNetflixオリジナルという感じなのである。

PLUTO

Netflixオリジナルの『PLUTO』を観始めている。原作の漫画は途中まで読んだ気がするけれど未了。その再解釈の印象は悪くなかったと思うのだけれど、何しろ進行中の連載は、それを読んでいること自体を忘れてしまうのが難点で、他意はない。今のところ、かつて読んだことのある話をなぞっている雰囲気ではあるけれど、申し分ないクオリティとみえる。

無人島のディーバ

『今夜すきやきだよ』を最終話まで。社会が個人にかけた呪いを解くエピソードの積み重ねは、話がすすむほどに先鋭化して立派な主張を持った、形のいい話になっていたと思うのである。しんた役の三河悠冴の配置がいい。そして、ゆき役の鈴木仁が上白石萌歌にみえる。

Netflixで配信の始まった『無人島のディーバ』を観る。虐待を受け船から転落した少女が15年を無人島で過ごして救出され、芸能界でスターを目指すというかなり突拍子もない話ではあるものの、もちろんそんなことを言っても始まらない。天真爛漫なヒロインが浦島太郎状態という設定はもはや定番といってよく、そこはそれ、スタジオドラゴンの制作であるからには、それなりの作りではあるのだ。

今夜すきやきだよ

『今夜すきやきだよ』を観る。蓮佛美沙子とトリンドル玲奈によるドラマ。原作の漫画は未読。共生関係と多様性をきっちり描こうというドラマが、ずいぶん増えいるが、その参照先は『逃げ恥』であるに違いない。多面的に掘り下げていくことが必要なテーマであれば、この趨勢はやがて社会のある部分を変えていくのではなかろうか。家賃18万円の家に住める人間がこの東京にどれほどいるのか、というセリフには重さがある。社会的な規範と結婚というものにも踏み込んだ話になっているのも好感がもてる。

イスラエルによるガザへの侵攻はいよいよ激しさを増し、それを非難する声もさらに大きくなる。殺されているのがほぼ市民であろうという状況が批判されるのは当然のことで、ハマスが播こうとした憎悪の種は、その目論見通り着実に芽を出している。イスラエルにとってのこの道が正解であるはずはない。