地獄が呼んでいる

『地獄が呼んでいる』を最後まで観る。神の意図を問うという困難な題材を扱っているのはいいとして、ついに登場人物も意味がわからないと言い始める最終話。もちろん、神の意図の不明を人間が利用するという物語なので、わからなくていいというものではあるものの。前半と後半の印象がかなり異なる物語でもあったけれど、続きがあるようにも、ないようにもみえる終わり方は悪くない。これを10話といえば長すぎるが、この構成で6話完結というのはちょうどよかったのではなかろうか。いや、物語は完結しておらず、ひょっとすると序章くらいの状況ではあるとして。

人間と怪異がもたらす理不尽でショッキングな場面が見どころのドラマではあるけれど、役者の演技にも凄味があって、ことに前半、刑事の娘を演じるイ=レの場面には鳥肌が立ったものである。陰惨な復讐を遂げた人間の複雑な感情というのは、なるほどこのように発露することになるのであろう。

地獄が呼んでいる

Netflixで『地獄が呼んでいる』を観る。このところオリジナルシリーズはUHD 4Kのコンテンツが多くて、没入しながら観ないともったいないような気になるのだけれど、今日のところは全6話のとりあえず4話まで。第3話までが第1部というべき体裁で、第4話はそれから4年後、変わってしまった世界の出来事という構成になっている。超常的な存在から予め宣告された死というストーリーとあわせ考えると『DEATH NOTE』を強く想起せざるを得ないわけである。『イカ・ゲーム』が『カイジ』とは異なる話であったように、せいぜいがインスパイアとでもいうべき相似だけれど、世間的に評価の高い物語構造を使って世界を構築していく方法論が垣間見えて感心する。韓国ドラマの勝率が高いのには、それなりの理由があると思うのである。

Microsoft 365の最新チャネルに新しいUIが配信されてきていて、スプラッシュ画面も白くなって微妙に新鮮。実用としてはクイックアクセスツールバーのデフォルト位置が変更になるくらいの差異ではあるものの、気分というのは大事なのである。

ファウンデーション #10

『ファウンデーション』シーズン1の最終回となる第10話を観る。後半は何だか話が停滞したような印象があったのだけれど、最終盤に頑張ってシーズン2に繋いだ感じ。どのあたりがいいかといえば、やはり人の因縁と時間経過をきちんと描いているところで、大逆罪の結果として親類縁者の一切が抹殺されるというエピソードが対比をつくっている。その話が直接に描かれることはないのだが、ブラザー・デイの語りだけで帝国の強大な力を想像させることに成功しているあたりに、この困難な映像化の目指すべき方向があるのではなかろうか。オリジナルとしか言いようのない展開とその結末であるからには、この上、シーズン2がどこに向かおうというのかはやはり気になる。

『インベージョン』の第7話もいい感じに話が進んでいて、忽那汐里のパートの微妙な「ハリウッド映画に現れた日本」の感じが好き過ぎる。

カウボーイビバップ

Netflixで配信の始まった『カウボーイビバップ』の実写版を観る。日本では英語のキャプションが演出として使われるのと同じことなのだが、日本語がタイトルバックに流れ、ついそれを読んでしまう違和感はあるとして、制作側のリスペクトが伝わってくる丁寧な作りで、ジョン=チョーのスパイクも慣れるとそれっぽくて悪くない。何より、UHD 4Kの画質は素晴らしいもので、大画面で楽しむべきコンテンツであろう。何でも実写にすればいいものではないと思ってはいたのだけれど、ストーリーもほぼオリジナルをなぞる忠実さで、コスプレの楽しさもあって、基本的にファンの仕事ぶりなのである。まぁ、よろしいのではないだろうか。

ザ・モーニングショー

このところ習慣的に観るコンテンツはApple TV+に傾斜していて、金曜日から週末にかけての消化が立て込む一方、ウィークデーのコンテンツが手薄になるので、これまで手を出してこなかった『ザ・モーニングショー』を見始めている。配信はシーズン2の終盤だけれど、Me tooムーブメントを同時代として扱っているシーズン1第1話から。登場人物が皆キレて怒鳴っているという評はその通りで、怒りの感情を吐き出し、ぶつかり合いながら物語がすすむので疲れる。

ちょっと興味があったのでVimの基本的な教養を身につけようとNeovimをインストールして弄っている。『実践Vim』を読んでノーマルモードの良さが何となくわかってきたというところだけれど、その良さは英数文字を使うとき遺憾なく発揮されるものであろうという気もまたする。

ファウンデーション #9

『ファウンデーション』の第9話を観る。わかっていたことではあるが、次週の第10話がシーズン最終話であることが告知されていて、いったんの区切りとはなるけれど、結局はあらかじめ予想された通りに話は収束に向かい、積極的にスケールダウンしようとしているようにさえみえる。

1000年の時の流れを数行で感じさせることができるのが小説の奥行きであるとすれば、4K映像に落としたからといってその悠久を表現するのは至難というわけである。ターミナスのパートが『宇宙からのメッセージ』みたいになっているのが残念なのだけれど、ブラザー・ドーンのくだりはそれなりに緊迫したサスペンス展開で、結局のところ時間的なスケールを視覚的に表現する演出の手法がポイントということになるだろう。その方法を人類はどのように獲得するのだろうか。

インベージョン #6

『インベージョン』の第6話を観る。茫然自失のまま軍の手伝いをしていたアニーシャは我にかえって家族のもとに戻る。幾つもの凄惨な死が描かれ、謎の生物がついに姿を現し、その攻撃性とコミュニケーションの不可能性が理解されて、いよいよ『宇宙戦争』っぽくなってきた。今回は全編、アニーシャのエピソードで籠城と脱出の顛末が語られる。世話になった夫婦の末路は報われず、だいたいこの家族は車を強奪した前科があって、不仲となった夫とのギスギスとしたやりとりで話が進むのかと思っていたのだけれど、辛くも襲撃を撃退したことでその理由を解明するという重要な動機が付与され、待て次回。

MontereyでmacOSにも空間オーディオが実装され、稼働率の上がっていたAirPods Proの左側だけが音を出力しなくなって、ハードウェア的な不具合を疑い、思わず第3世代のAirPodsに手を出しそうになったのだけれど、接続の解除とBluetoothの検出を繰り返しているうち復帰する。危ないところである。