海街チャチャチャ #4

『海街チャチャチャ』は早くも第4話。だいたいのキャラクターが見えてきて、今回はギターの弾き語りも披露するキム=ソンホの若大将ぶりが楽しい。毎話の最後に小さな解明のシークエンスがあるのだけれど、気の利いた締めになっていて、お約束通りの話が実にいい塩梅になっていると思うのである。好き。

COVID-19は東京での新たな感染者数が減少していて、何だかよくわからないけど減ってきたという雰囲気になっている。しかし、指数関数的な増加である以上は、減少にもまた指数関数的な性質があって、これからの下げこそ厳しい道のりとなり、何しろ辛抱の足りない最近の動向を踏まえれば、直ちに増加基調に転じることになるだろう。

今般の減少は、非常事態宣言による行動抑制に加え、マスク性能の啓蒙がすすんでウレタンマスクが減っているというあたりは大きな理由となっているのではないか。もともとマスクに拒否反応のない本邦であれば、高性能マスクが十分に普及していれば空気感染の防止効果は高いと思うのである。例の布マスク2枚がこのあたりの啓蒙を阻害したのはまことに罪深いことだった。

ワンダーウーマン1984

『ワンダーウーマン1984』を観る。何故、1984なのかはよくわからないけれど、オーウェルの『1984』というわけではどうやらなく、冷戦がどこに向かうかまだ定かではなかったあたりの雰囲気を醸して懐古的な見方もできる映画になっている。趣向としては『キャプテン・マーベル』と似ているようにもみえるけれど、こちらは前作を受けて話がすすむ。ガル=ガドットの神々しさは相変わらずで、監督は同じパティ=ジェンキンスだけれど、ネタはだいぶ割れているので少し苦労している感じ。若いトランプみたいな男の虚栄が世界を混乱に陥れるという筋書きは現実の苦さに比べれば、やはりただのファンタジーなのである。

このところの雨は続いていて時折、強く雨が降る。同じ市内でも1時間に50mmを越える場所があって夜、少し離れた地区の避難指示が発令されサイレンが鳴り響く。この展開は記憶にないけれど、山際に沿って降水が続いていたようなのである。気象の振幅は身近でも確実に大きくなっている。

SAS:反逆のブラックスワン

『SAS:反逆のブラックスワン』を観る。バッキンガム公にしてSASの隊員であるトムをヒーローとしたイギリス製のスリラーアクション映画。原作が『ブラボー・ツー・ゼロ』のアンディ=マクナブの小説なのだけれど、ノンフィクション出身なりのリアリティはほぼなくて、プロットもちょっと『ダイ・ハード』みたい。全体にもたもたとしたところが多く、125分の尺はいささか長すぎる。90分くらいに収めるとバランスのよい映画になったのではなかろうか。ラストシーンのシークエンスもドローン攻撃の演出にしかみえないところがあって、いろいろイマイチだと思うのである。にもかかわらずシリーズ化しそうな雰囲気さえ漂わせているとして、そもそも原作の続編だって出ていないのだ。

この日時点で、新型コロナウイルスに感染して自宅での療養を余儀なくされている人が全国で13万人を越えているという。もとから中央政府が何かしている様子もないとはいえ、自党の総裁選をおっ始めようという与党がこれを深刻に捉えているはずもなく、しかし国民は、ひょっとしたらトランプのアメリカに近いくらい酷い状況を生きているという自覚を持つべきであろう。

海街チャチャチャ

Netflixで配信の始まった『海街チャチャチャ』を観る。スタジオ・ドラゴンの新作で、みんな大好きキム=ソンホ主演のロマンスであれば、とりあえず10月までこれを楽しみにしていけると思うのである。例によって週2回配信で1話75分見当のようだから分量も申し分ない。

第1話は、ソウルで歯科の勤務医をしているヘジンが拝金主義の院長と衝突して職を辞し、母との思い出があるコンジン洞を訪れ、いろいろあって唐突にこの漁港での開業を決意するまで。この女医をシン=ミナが演じていて、行く先々でキム=ソンホ演じるホン班長に出会うという趣向なのだけれど、ロマンチックコメディの序盤の定石を踏みつつ、NGになりそうなカットもそのまま使っているのではないかというくらい緩い感じなので、全くストレスなく観られる。

劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん

『劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』を観る。菅波先生こと坂口健太郎が、素性を隠し疎遠になっていた父親とエオルゼアの世界で共に冒険して心を通わせる。ロマンスがあるわけでもなく、事件というほどの事件は起きないし、全ては予定的に調和する世界の話ではあるけれど、オンライン世界ばかりでなく、主要な舞台となるお茶の間の美術も劇場版の名に恥じぬ作り込みがされていて、それだけでも結構、観られる。物語の神は細部に宿る。

この日、横浜市長選は地元に睨みを効かせる自民の推薦候補が敗れ、悪い評判もあった立憲民主党の推薦候補に投票締め切りと同時に当確が打たれる。現下の状況を踏まえれば与党が負けるのは当然として、同日、維新の会が自公との部分連携に意欲を見せているというニュースが不気味に流れる。自公退潮の補完勢力として維新が台頭して悪魔合体を果たすというのは悪夢的シナリオで、これらはまとめて始末せねばならぬ。

さようなら全てのエヴァンゲリオン

この日、緊急事態宣言の9月12日までの延長と7府県への適用拡大が決まる。この時点まで感染の拡大は継続し、既に発出されていた地域でも減少傾向は一向に見えないという有り様だから、この措置が直ちに効果をみるかは大変、疑わしい。事態は医療崩壊の実態をどこまで隠蔽できるかによって転び先が決まるという意味のわからない状況になってきた。客観的には、100万人あたりの感染者がインドを追い越してブラジル、アメリカを追い上げようかという勢いであるにもかかわらず。

Amazon Primeの『さようなら全てのエヴァンゲリオン 〜庵野秀明の1214日〜』を観る。アマプラの庵野秀明推しは気合いの入った状況で、今やNHKのコンテンツまで視聴できるようになっている。『ザ・プロフェッショナル』で短いバージョンを観たことがあったのだけれど、『シンエヴァ』を観た後であれば、腑に落ちるあれこれがあって興味深い。宇部新川駅のロケハンにまさかあのような意味があったとは。庵野がNHKの取材方法にクレームを入れ、本人でなく振り回される現場を撮れという申し入れを行うあたりのやりとりは佳境と言えようが、結局のところ庵野秀明当人を撮り切ったディレクターは『エヴァンゲリオン』というものをよくわかっていて、えらいと思ったことである。

エクストリーム・ジョブ

76年目の終戦の日。夜間降り続いた雨は諏訪湖周辺での浸水と土砂崩れによる被害をもたらす。

このところ韓国映画から遠ざかってしまっていたのだけれど、久々という感じで『エクストリーム・ジョブ』を観る。張り込みの偽装のために店をやったら繁盛してしまうというシチュエーションは『踊る大捜査線』あたりでもみたことがあるけれど、韓国映画ではサブジャンルとして確立している感のある「捜査班もの」の美味しいところを凝縮したつくりになっていて、本格的に店を経営することになる強引な展開も含めてなかなか面白い。ジャンル映画であればこそ徹底的にお約束に沿っているのがいいし、演出の間合いにも笑える。

東京都のモニタリング項目でみても検査陽性率は24%にまでなって、いまだに減少傾向をみせない。こうしたなか、感度が悪いといわれてきた抗原検査でも、デルタ株のウイルス量の多さであれば捕捉でき、まるでそのためにウイルス自身が進化したようだという呟きを見かけて打ち拉がれている。PCR検査を抑制しなぜか抗原検査に傾倒してきた本邦だが、この狡猾なウイルスがいかに挑戦的に振る舞おうとも、ほとんど何もしないと決めた政府のもとではこれを叩くことが出来ずにいるのである。

この日は、ココアの教訓をもう忘れたのか、若者のワクチン接種促進のためのアプリ開発に数億円とかいうニュースフローがあったけれど、定価のないデジタルが税金の中抜きのために活用される本邦のデジタルトランスフォーメーションの絶望的な状況はおくとしても、まずワクチン確保が先であろう。