創造の方法学

高根正昭の『創造の方法学』を読んでいる。特にあてもなく読み始めた本だけれど、稼業にひいて考えさせられる内容がことのほか多くて、さすが名著とされる本は違うと感心している。ずいぶんと役に立ちそうである。

津波の霊たち 3・11 死と生の物語

リチャード=ロイド・パリーの『津波の霊たち 3・11 死と生の物語』を読む。同じ著者による『黒い迷宮』は未読だけれど、日本在住のジャーナリストとして東日本大震災が残した傷跡、わけても大川小学校での被害が何故これほど大きかったのかという問いに寄り添って記録された本作は、極めて慎重に推定事実を指し示しながら遺された人々の内面に比重を置いた内容で、あの日起きたこととそれがもたらしたものについて、改めて考えるよすがとなる良質なノンフィクションになっている。システムとしての行政に対する批判的な視点を提示しつつ、しかし人々の内面について一切の決めつけをもたないスタンスの一貫性はジャーナリズムの真髄をみるようで勉強になる。タイトルにもなっている霊的な体験の扱いは立体的なもので、いとうせいこうの『想像ラジオ』を思い出していた。

アルテミス

迂闊なことにハヤカワの近刊『アルテミス』が『火星の人』のアンディ=ウィアーの2作目だということに気づいていなかったのだけれど、iBooksにはその旨、わかりやすい惹句があって慌てて買い求める。わりあい、作者買いをする方である。
早速読み始めたわけだけれど、その文体は前作を彷彿とさせる軽やかさがあり、冒頭の描写からして主な舞台となる月面での物理を映像的に伝えるもので楽しくなってしまう。

図書館の魔女

もちろん『図書館の魔女』はソフトカバー版を持っているのだけれど、文庫版では割愛されていた一部が復元されていると聞いたことがあったので、いつか買い求めようと思ったいたのである。この本はやはり紙でないといけないんじゃないかという気がしなくもないのだけれど、何しろ嵩張らないのでKindle版で読み進めていて、やはりべらぼうに面白いので改めて堪能している。

GODZILLA 怪獣黙示録

で、買い求めた『GODZILLA 怪獣黙示録』はウェイティングリストのだいぶ後ろの方にあったはずなのだけれど、何しろ負け戦の口承記録というアイディアだけでご飯三杯はいけるクチなので、読み始めている。あからさまに『World War Z』の世界観を踏襲しているのもよくて、何故か翻訳調になるところがあるのもご愛嬌。結構、楽しめる。

怪獣黙示録

『GODZILLA 怪獣惑星』の前日譚となるエピソードがノベライズされていて、『WORLD WAR Z』を意識したと思しきインタビュー形式の小説となっているので手もなくこれを買い求めてしまう。とにかくオーラルヒストリーが好きなのである。
Kindleから同じく怪獣モノの『神の獣』という20年以上前のマンガをオススメされたのだけれど、なかなかよく分かっているという印象の人類滅亡前史で、とにかくそんなものばかり読んでいる。

Kindle

KindleのiOSアプリが刷新されて、まずアイコンが本を読む少年になったのに驚き、インターフェースが初めて大きく変更されたのでこれを弄ってみる。画面にノドアキが設定されるといいなと思っていたのだけれど、このあたりは手付かず。つまり肝心の読書体験はほぼ変更なしで、カタログ機能をフィーチャーするための刷新とみえなくもなく、Amazonの商魂が透けるようで、そもそも全体のデザインもイマイチ垢抜けないのではないか。