AirPods

ちょっと躊躇して、しかしだいぶ前に発注したまま忘れていたAirPodsが漸く届く。注文時に6週間とあった納期はほとんど誇張なく、実際には5週間と半分くらい。その間に季節は冬から春へと移ろい、しかし昨日も雪が降った日曜日。
そのAirPodsはApple製品らしくほとんど迷うことなく複数の機器と連携して、音質もEarPodsよりわずかによく、普段使いとしてはワイヤレスであるがゆえの取り回しの良さが優ってなかなか快適。iPadで動画を観るような用途でも遅延はほぼ生じず全く問題ないし、装着の違和感もなければ耳から落ちる気配もないあたり、なかなかよく出来ている。その入手難を除けば、よい製品というべきではあるまいか。

精選版 日本国語大辞典

iOSの辞書アプリは物書堂と決めていて、英語ならウィズダムだけでなくランダムハウスも買い求め、日本語は大辞林に加え角川の類語新辞典も装備して、旺文社の全訳古語辞典のほかに漢辞海も使っているのだけれど、知らぬ間に三省堂の新明解まで発売されていて、本邦の辞書アプリでは最有力のプラットフォーマーとなった感のあるこのデベロッパーの存在感はますます大きい。
そしてこの度は小学館の精選版日本国語大辞典が発売となって、紙本なら三分冊で45,000円のこれが発売キャンペーン価格4,500円だったので、すかさずポチる。上代の用例までみっしり詰まって、まずお値打ちというほかない。

Music

iPadとiPhoneはほとんど肌身離さずという感じのガジェットではあるけれど、Appleのミニマルインターフェースには正直、戸惑うことがないとはいえず、よくいえばいまだに新たな発見があったりする。iOS10で刷新されたMusicはもとから使い込む種類のアプリでもないから、すぐに慣れたけれど、プレイリストのシャッフルをどう解除するのか、暫くのこと放置課題にしていたのである。折り込まれた楽曲パネルの、さらにその下にスライドするメニューがあろうとは。シャッフルとリピートのモード選択に困っているユーザーって結構いるんじゃないですか。

Smart Keyboard

そういえばiPad Pro用のSmart Keyboardがローカル対応し、欧州やアジアの一部で各国語対応した製品が出始めたのは8月もはじめの頃だったけれど、もしかしたらiOS10と同時に出るのではないかと思っていた日本語版は未だ発売されず、もしかしたら日本語対応はしないのではないかという気がしなくもない。日本語版をうたう以上、スペースキーからは全角の空白を入力したいけれど、どうしてかそのあたりはソフトウェアキーボードの入力自体が、今日まで対応していないのは周知の通り。macOSとiOSの日本語環境の間にはまだ深くて暗い川が横たわっている。

Sierra

macOS Sierraはリリース直後に導入しているのだけれど、最近はiOSでだいたいが足りてしまうこともあって、しばし放ったらかしとなっており、ようやく環境を整える。あわせてAnniversary Updateを保留していたWindows10もアップデートしてみたのだけれど、パッチを当てる作業にやたらと時間がかかるあたりは一向に改善されていないので、意気を挫くこと甚だしい。
Sierraの方はといえばデスクトップでSiriを使う習慣はまだないのだけれど、全体に安定していて好感がもてる。いちばん良くなっているのはiTunesのStoreで、誘導が多様化しているのは伝わって、何処に向かったらいいか分からない印象は後退している。とはいえリコメンデーションの安直さは相変わらずで、このあたりをみると『アルゴリズムが世界を変える』という言説は、ビックデータ技術の革新にもかかわらず、現時点ではまだテクノロジーの実態が追いついていないという気がしなくもない。

OSAKA

遡って10年ではきかない話だが、OS X以前のMacで何が好きだったかといってOSAKAフォントはほとんどを象徴していた気がする。今やiOSですら第10世代ということであれば懐かしいという他ないにして。
時は流れ現代、iPadでもUlyssesを愛用しているのだけれど、このところのお気に入りは表示フォントをPingFang SCにする設定で、その名の通り中華フォントではあるけれど、細身の特徴的な字体はOSAKAを彷彿とさせてなかなか楽しい。Ulyssesも優秀なアプリだからもちろんヒラギノの指定もできるのだけれど、視認性も高くて実用性もあると思うのである。

ポコポコ

iOSのパブリックベータは前回の参加の時にかなりバギーだったという印象があって、iOS10のインストールは控えていたのだけれど、そろそろGMに到達かという頃合いなので今さらiPad Proに導入してみる。全体に洗練されたという印象はあるにして、大きな変更は当然のことながらプレビューで語られている通りなのだけれど、例によって細かい変更はどうやら多岐にわたっており、なかでもソフトウェアキーボードの新しいクリック音はちょっと気に入った。文字入力とスペース、バックスペースの打鍵音がそれぞれ微妙に異なっていて、ポコポコトンという具合に楽しい音がする。Smart Keyboardもいいのだけれど、iPadは本来ソフトウェアキーボード入力派なのでこれはうれしい。