Broadwellを搭載しRetinaディスプレイになるだろうといわれている次世代のMacBook Airについては例によっていろんなが予想がされているわけだけれど、今日あたりニュースサイトを賑わせている仕様は意外なところに説得力があって、だいたいこのあたりが本筋なのではないかと、うかうか納得してしまう。
ファンレスでインターフェースがUSBのType-Cとヘッドホン端子のみというのは、つまりハードウェアとしては物理キーボードのついたiPadであり、このところ曖昧になっていて、Retinaを搭載することでさらに混迷すると心配されていたMacBook ProとAirの境界線を引き直すうえでは悪くない解決方法だと思うのである。
いかにもAppleらしい単純化であり、ストロークが狭くなると伝えられたキーボードもiOSとのソフトウェアキーボードとの微妙な整合が図られているに違いないと勝手に確信してみたり。
その流れで、Retinaは標準装備となって名称には使われなくなり、MacBook Proに対応するiPad Proのラインが登場しても驚かない。
Apple
Handoff
少し前に母艦をMBPR13に更新したのだけれど、iOS 8との連携でHandoffが使えるようになるというのも狙いのひとつで、Appleの思惑通りにハードウェアの更新を続けることにもはや疑念を抱くまでもなく囲われているのはおくとして、このあたりの機能はもちろんスムーズに導入できるものと信じて疑わなかったのである。
iOSからMacへの連携は触れ込み通りの簡単さで出来るようになって、たとえばSafariで開いているページを引き継ぐことは知れず可能になっていたので迂闊にもしばらく気がつかなかったのだけれど、MacからiOSに連携するためのアイコンがロック画面に現れない。iPadでもiPhoneでも出来ないので、もともとそういうものなのではあるまいかと考えたくらいなのだが、どうやら双方向に可能というのが本来の姿なのである。
Handoffという機能はハードウェアとしてはBluetoothのバージョン制約があるのだけれど、iCloudの利用が前提となっており、新機能の常としてこのあたりのアカウント照合に微妙な行き違いがあるみたい。iPadではiCloudを一度、サインアウトしてログインし直すという動作でMacからの受け渡しができるようになったのだけれど、iPhoneでは同じ処方では効果がなく、端末の初期化が必要となったのである。アップデートによって修正される類の不具合なので、このあたりのノウハウは無駄というほかないのだけれど。
リネーム
どうしても必要だけれど些細なこと、あるいは些細ではあるけれど場合によりどうしても必要ということは人生に数多あるわけだが、コンピューティングにおいては膨大なファイルのリネーム作業がそうした類型にあたっていて古来、気の利いたユーティリティの数々が提供されてきたのだけれど、たとえばファイルを連番化するリネームの必要はそうそうあるわけでもなく、ことがあるたび、MacならAutomatorのレシピを検索するなりして対処してきたのである。
OSを更新したときに初期化をしているものだから、ツールの類も消えてしまっており、またぞろ適当な方法を探して検索をかけてみたのだが。
Yosemiteでは複数ファイルを選んで右クリックのメニューからリネームが出来るという話になっていて、しかも当然のこととしてやけに速い動作だし、ついに痒いところにも手が届くようになったとの感慨しきり。
しかし無言で実装されるこうした機能はほとんどイースターエッグのようであり、知らずにいる向きも多いのではなかろうか。
Duet display
MacにiPadをケーブル接続して、タイムラグのないサブディスプレイにしてしまうという触れ込みのDuet Displayには、ティーザーを始めたころから注目していたのだけれど、AppStoreでアプリが公開されたので早速、買い求めてみる。トリッキーにハードを使い切ろうという趣向のソフトは結構、好きである。
iOS側でアプリを購入し、Mac側では公式サイトからソフトをダウンロードしてドライバーをインストールすると導入準備が終了する。iOSアプリを起動してLightningケーブルで繋げるだけでディスプレイが拡張表示されるので迷うところはないし、サブディスプレイの表示位置はシステム環境設定の純正機能を使って調整するくらいなのでアプリのお行儀も悪くない。
肝心の描画性能は類似ソフトに比べると圧倒的に速いのはどうやら確かで、iPad側で映画を観ることすらできるのには驚いたけれど、何しろ公開されたばかりのソフトなので微妙にバギーな感じはなきにしもあらず、そしてゼロラグであろうともCPUの計算時間が占拠されているコンピューターにありがちな動作の緩慢さを感じる瞬間はあって、常用するにはいま少し改善が必要というのも確かであろう。
(RED)
どうやら熱が籠っているときにリブートをすると起動を拒否してビープ音を鳴らしたり、これはハードのせいではないみたいだけれど2.4GHz帯の接続がかなり不安定になったり、Yosemiteにバージョンアップしてからときどき不審な動きをすることになったMacBook Proだが、既に2010年のモデルだし、最新のOSに対応させようとコキ使うのも気の毒だと考えていた。いずれファンレス仕様で出るというMacBook AirのRetinaモデルを待とうとも思ったのだけれど、まだ見ぬ新製品がどうなろうと、この円安ではじきにレート調整が行われるのは目に見えているし、そもそも現行Retinaモデルにだって特に不満はないというわけで、13インチのMBPRをあっさりポチる。この顛末は黒田日銀のせいと言えなくもない。
ことえり
Yosemiteになってから日本語の入力エンジンに「ことえり」の呼称が使われなくなったことに今ごろ気づく。固有名詞に強くなった印象で、形態素解析の傾向はiOSとの親和性が増している感じがあるので別ものとなっていてもおかしくはないのだが、人口に膾炙しているわり、そういえば特にいい評判で知れているわけではなかった「ことえり」の名称とはいえ、あっさり廃止されてまたひとつ歴史の保管庫送りかと思えば感慨もある。
SOS
アップデートは後先考えずに適用するタイプなので、OS X10.10.1もiOS8.1.1も迷うことなく導入して特に不具合もないと思っていたのだけれど、思い立ってMacBook Proを再起動したところが妙なビープ音が鳴るばかりで起動しなくなってしまう。これがアップデートの影響かよくわからないのだけれど、調べてみるとビープ音が9回、短長織り交ぜて鳴るのはSOSのモールス信号で、ロジックボードの不具合の可能性が高いとの旨。トトトツーツーツートトトというわけである。なるほど。
どちらかというと危機にあたってモールス信号を発するというあたりに感心するほうが先に立つわけだけれど、MacBook Proを開腹してメモリの抜き差しをしてみたところ無事、起動音とともに立ち上がり事なきを得る。いやはや。