MIU404

休みをとって用事を済ませ、せっかく平日なので山梨のイオンモールまで出かける。中央道を南下すると塩梅よく遠望することができるポイントがあって本日、初冠雪を記録した富士山を見る。いやほんとに、夏が終わったと思ったらもう冬なのか。

『MIU404』の第1話を観始めて、やはり面白いので何だか観続けてしまう。『アンナチュラル』の毛利と向島が登場するあたりで喜んでいたら、イタズラ電話の事件に出ているのは山田杏奈じゃないかと己が不明を恥じる。

On War

故あってクラウゼヴィッツの『戦争論』を読み返している。もちろん、この本を習慣的に読むなどということはないのだが、たしか熱に浮かされたような学生の時代、ただ興味があったからという正しい動機にもとづいて、やはり中公文庫あたりを買い求めて読んだ記憶がある。それを再び紐解こうということになろうとは。

コーダ あいのうた

『コーダ あいのうた』を観る。2021年の映画で、アカデミー賞の作品賞、脚色賞、助演男優賞を受賞している。助演男優賞は実際にも聾者である父親役のトロイ=コッツァーに贈られたけれど、役者は誰もいい仕事をしている。2014年のフランス映画『エール!』の英語版リメイクで、Children of Deaf Adultsを表す『CODA』というタイトルの通り、聾者のもとで育った耳の聞こえる子供の物語。メンターとなる音楽教師にその才能を見出され、バークリー音楽大学を目指す主人公をエミリア=ジョーンズが演じている。何となく明るさのうかがえるラストに向けて、積み重なっていく人生のままならない感じを含めて『グッド・ウィル・ハンティング』みたいとは思ったけれど悪くない。

この動画は再生できません

『この動画は再生できません』シーズン2を最後まで観る。シーズン2も4エピソードで完結のようだけれど、映画化の予告があって人気のほどが窺われる。シーズン1でキレイに終わったと思っていたのだけれど、振り返ってみればシーズン2も上手いこと考えられていたみたい。最終話のラスト、話の落し方は結構好き。映画の尺をどのように使うのかは想像もつかないけれど、それなりのシナリオは用意されそうな予感がある。

この日、気象庁は9月の気温も過去最高の暑さだったことを発表する。実のところ7月から3ヶ月連続で過去最高を記録しているので、うすうす分かっていたこととはいえ。これが大変、珍しい現象だとして来年、この記録が上塗りされたとしても驚かない。

Kindle

Mac版のKindleが新しくなって、AppStoreからの配信となったので移行する。これまでインストーラーで導入していたバージョンはClassicと称され、じきにサポートされなくなる様子。もうだいぶ前から、iOSのアプリはMacでも使えるようになっていて、特段のポーティング作業も必要ないという触れ込みだったので、これは既定路線といってもよく、こちらからするとようやく対応されたという感じ。アプリそのものも高速軽量で使いやすい。以前のアプリはいかにも古風な作りで、最適化もロクにされていない雰囲気だったのである。

そしてKindleの電子書籍を、まるまる一冊、Macの画面で読んでみたのだが、iPadで読むより捗るような気がして、どうやら脳の働きもパソコンの画面に最適化されているのではないかと思うのである。何となく恐ろしいことではあるけれど、日々の投入時間を考えれば納得が大きい。こうなってくると、主な読書環境になるのではなかろうか。

LIGHTS OVER FUKUSHIMA

Netflixで『エンカウンターズ』を観る。UAP、いわゆるUFOの目撃談を題材にしたドキュメンタリーシリーズで、全4回の初回が福島で原発事故と前後して目撃されたUAPの話が、核開発と原爆投下、核開発施設やミサイル基地で報告された怪現象まで引用して語られる。かと思えば、鉄腕アトムやウルトラマン、最終的には日本人の精神性にまで話が及ぶので、もはやどのような趣向なのかもわからないのだが、面白かったのは常陸国に漂着したと伝承にある虚舟の話が出てきたことで、茨城の東端と福島沿岸を地学的あるいは宇宙的なスケールで同じ土地として語ってオチをつけているようなところがある。宇宙人からすれば、その混同は気にならないとして。

この日、ニューヨークでは9月としては過去100年で最も多い降水が記録され、市内の各所で道路が冠水し交通が麻痺状態となる。路上で水没する車列は、中国から伝えられていた洪水被害の様子に重なり、気候変動がもたらす災害のスケールに震撼する。自動車は電化とともに防水性能が必須という時代になるのではなかろうか。

推しが上司になりまして

新しく配信の始まった『推しが上司になりまして』の第1話を観る。脚本は『ウソ婚』と同じ蛭田直美。いわゆる深夜帯にマンガ原作のドラマが放送される流れがあって、これもそのひとつだけれど、タイトルが設定を説明する昨今の流行の通り、タイトルの通りの設定で速やかに物語は立ち上がる。

他愛もない話ではあるけれど、いわゆる推し活がある種の儀礼であるという構造が端的に示され、その枠組みを超えて虚構が現実化することで葛藤が生まれるというあたり、シンプルではあるけれどちょっと奥深いストラクチャーを持っていると思うのである。もしかしたら、その侵食のプロセスがいちばんおいしいところである可能性はあるとして。