『窓際のスパイ』のシーズン4も第5話となって、いよいよ佳境。過去の経緯が明らかとなって、カートライトは拉致され、嫌われ者のロビーは微妙な表現の動きで役者の仕事の奥行きを示してみせる。ドラマの格が違って見えるのは、ストーリーラインよりも演技の質によるところが大きいように思う。引き続き面白い。
2008-2024
我が家のチワワ4兄弟では末っ子の扱いで、2008年の11月に食を拒否する超小型の毛玉としてやってきて、長じて番長となり、長く共に生活した。順位と礼儀に厳しく、抱き上げた時に唇を噛まれた傷はずっと残っていたのだけれど、もうよくわからなくなってしまった。当初こちらの順位をだいぶ低く見積もっていたと思うけれど、近年は友達として遇してくれていたと思う。人間の子供達も巣立つなかで、全ての兄弟を見送り、本当はだいぶ寂しかったと思うけれど、そうしたところはあまり見せないあんずは勇敢な犬である。大病もしたけれど、その生命力に驚かされたのも、ひとたびではない。
16年生きた。明け方にかけて息はゆっくりと浅くなり、だいぶ草臥れてはいたけれど、安らかに眠ったと思う。このあと秋も深まり、厳しい冬が来て、季節を幾度も繰り返し、長くゆるやかな下りの船の行きつく先では、ふたたび会うことができるだろう。ありがとう、またいつか。
ダンダダン
アニメの放送が始まった『ダンダダン』の第1話を観て、これは最高だとなっている。手際の良い話の展開は原作の手柄によるところが大きいとしても、アニメーションでしかなし得ないこの表現の面白さは、クリエーターに賞賛を送るほかない。あらゆる表象の変化を経て、なお同じキャラクターと同定することができる認識の不思議と、隠された名前が物語の構造を解き明かす。生成AIが最後まで理解しないことのひとつは、このような世界の捉え方であろう。
Creepy Nutsの新曲にのせたオープニングからエンディングまで終始、感心していたのである。もちろん無茶苦茶、面白い。
It‘s ok, not ok.
A24の映画で『We live in time』というのがあって、そのトレーラーをたまたまみたのだけれど150秒に物語のたぶんほとんど全てが詰め込まれていて、なおこれを観てみたいと思わせる力がある。なかなかのものである。ヒロインを演じているのがフローレンス=ピューなのだけれど、この人の佇まいは最近、日本のドラマでバイプレイヤーとして存在感を増している野呂佳代に似ている気がしてならない。
このところ地球科学の本をよく読んでいるのだけれど、このスケールになると現在論じられているレベルの気候変動は起こるべくして起こる事象であり、氷河期よりマシとさえ考えられいてるみたい。いわゆる温暖化は人類が農耕を開始した8000年前からみられる傾向だというからスケールが大きい。寒冷化と違って温暖化は植物の育成と二酸化炭素の吸収という負のフィードバックループを内蔵しており、際限なく高温化がすすむことはないというのだが、だからといって石油文明が持続可能ということにはならないと思うのである。
対話
時間をとって人と話すことの効用を何となく実感した週末。組織にかかわるモヤモヤというのは、結局のところ、このように解消していくほかないのであろう。今さらながら。
定型
なんとなく、という感じで『損するのは嫌だから』を最終の12話まで観る。まず、なんとなくという感じなのである。プロダクトプレイスメントに始まる韓流ドラマの定型は、すでにそれ自体がさまざまな類型の組み合わせであるというくらいに完成されたものではあるのだけれど、結末自体がグダグダになるというところまで含めての定型であって、本作もその例外ではない。キム=ヨンデが海外に旅立ち、半年後に国内で目撃されてやがて再会するというこの終盤こそ、ただ定型に寄せるためだけの展開でコピペか何かで作られた疑いがある。
水蒸気
この日、台風18号は935hpa程度の非常に強い勢力で台湾を縦断するルートに乗る。台湾付近に長時間停滞するのは気圧配置の関係によるものだが、風と雨が大きな被害をもたらすことが心配されている。
先週、米国の南東部に上陸したハリケーン ヘレンは、先行する時間帯に膨大な雨をもたらしたというニュースをみる。雨量は150兆リットルを超え、周囲100キロ以上あるタホ湖一杯分に匹敵するというのだから、大きな水害をもたらしたのも無理はないのである。気温の上昇により大気中の水蒸気は増加しており、同様の事態は地球のどこにでも起きる可能性がある。