『マダム・ウェブ』を観る。MCUに関係しつつ、しかしこれはソニーズ・スパイダーマン・ユニバースと称するソニーのオリジナルユニバースの第一弾なのだそうである。確か封切りのときには興行の記録もパッとせず、批評家の評判も散々で、何より主演のダコダ=ジョンソンが制作そのものを批判した記事を読んでいたので、あらかじめ期待はしていなかったのだけれど、確かに感心するようなところはなくて、主人公が持つ直近の未来を予知する能力が、映像演出全体を混乱させているようなところがある。端的に言って、設定が演出家の力量を超えているのではなかろうか。加えてストーリー全体は不思議な平たさとご都合主義の合成とみえ、わかりやすさと難解さが同居している。どうしたらこんな雰囲気になるのだろうかと思ったのだけれど、脚本を生成AIでりライトしたと言われても驚かない。むしろ、本当にそうしたことをやっているのではないだろうかという気がしていて、だとすれば観客がそれを見抜いたという点で意味がある作品となっている。
Author: sigmr
負のフィードバック
この日は夕方から雨、時おり激しく降る。こうした雨が過ぎた後に草花は目に見えて大きくなり、『となりのトトロ』で描かれた草木の急速な成長はさほど誇張でもないということを毎回、思うのだけれど、その過程で温暖化ガスは植物に吸収され、炭素として固定されるので地質的なスケールでは際限なく温暖化がすすむことにならないというのが地層の教えるところである。この新陳代謝のなかで人類が生存を維持できるかはまた別の問題だとして。
Hit Man
そういえばインド出張の機内で『Hit Man』を観たのである。主演のグレン=パウエルは最近やけにいろんな映画に出ている気がするのだけれど、垢抜けない扮装が似合うので好感がもてる。そのあたりが人気の理由であろう。地元の警察に技術スタッフとして協力する大学の教授が、おとり捜査のフロント役を務める羽目になるコメディなのだけれど、物語の着地は平凡な想定の斜め上にあって、おいおいという感じにびっくりする。それはいいとしても、実話をもとにした映画という触れ込みには、さすがにそんなはずはないだろうという感想しかない。
台風10号
この日、マリアナ諸島近海で台風10号が発生する。今回の想定されている進路はどのモデルでも関西から中部にかけて本州を目指すもので、今度ばかりはコースが逸れるということにはなりそうにない。来週半ばにかけては、またも大きく荒れた天気になりそうである。それに従い、いったんは暑さも和らぐようなので良し悪しというところだけれど、まいったね。暑い暑いといいたかないが、インドよりも暑いというのは、さすがにどうかと思うのである。
早朝営業
インドから日本への帰路。中継地のチャンギ空港へは午前6時の到着だったのだけれど、もともとショッピングモールかと見紛う空港内はすべての店舗がフルスペックで営業していて、経済を回すというのはこういうことだろうとと驚嘆する。ハブ空港である以上は朝から行き交う旅客も多いとはいえ。
18時のあずさに乗り、20時半には家に帰り着く。インド内陸から24時間内に帰宅できること自体は驚くべきことだとしても、長い。
植民地時代
この地は2006年にベンガルールというように名前が変わったのだが、バンガロールという耳馴染みのある呼び名は浸透していて、しかし植民地名称の再評価における名称変更だと聞けば無邪気にバンガロールというのも憚られる。とはいえ、欧米の人間は、そんなことを全く気にしていないようである。
この日、日中は長時間のミーディングをして夜、空港に移動。途中、食事をしたりもしたのだが、23時過ぎのフライトで帰路について、ほとんど1日がかりの長い移動となる。
バンガロール
初めてのバンガロール改めベンガルールは、近年、多くの点で近代的な都市化がすすんでいるという話で、空港などは小綺麗な感じになっているけれど、街中を走れば生活はそこにあり、エントロピーは発散に向かい運動して、単に情報量が多過ぎて思わずカオスと言いたくなるような状態にある。予測不可能な様子が人間の認知に与える負荷はかなり大きいのではないのかと思うのだが、人々がここで生きているということを強く印象づけるのも確かなのである。