地震

この日、通勤途上の高速道路上で、富山湾を震源とする地震の緊急地震速報を聞く。このところ油断していたところはあったし、そもそも自動車の走行中に速報があってもできることは限られているのだが、流石にびっくりして、これは緊急停止するのが正解なのだろうかと思いながら走る。

いわゆる割れ残りが余震というには大きい新たな地震を発生させることはかねて言われていたことだけれど、これがそうかはわからない。1月以降、倒壊家屋や瓦礫の処理はほとんどすすんでいないと聞いているけれど、いくつかはダメおしとなって倒壊したという。

寒冷渦

この日、換気をともなって南下してきた低気圧によって列島の天候は乱れる。雷雨と大雨が各地で報告される。極渦の蛇行にも見えるこの遠因に温暖化がもたらす気候変動があるとすれば、こうした気候の極端化の頻度はますます上がっていくことになる。横浜では開港祭のイベントが行われていたけれど、大人数による合唱はかなり激しい雨の中、強行されて、なかなか難儀だと思ったことである。

この日は市の水防訓練にかり出され、土嚢の積み方を学ぶ。この間、天候が保ったのは僥倖。そしてこのような天候激甚化の時代であれば、役に立つ知識を習得したという気にもなる。

劇場版ラジエーションハウス

『劇場版ラジエーションハウス』を観る。実はこのドラマシリーズの方は観ていないので特に思い入れもないのだけれど、『アンメット』が引き続きよいので医療系のドラマならみて観ようという気になったのである。漫画原作を持つというところは同じだとして、その方向性はだいぶ異なって、このあたりの期待はほとんど満たされることはなかったのだけれど、まぁ、そういうものであろう。ツッコミどころの多い脚本は、いかにもフジテレビ系列という感じ。設定は面白いのだけれど、大ぶりの話を作ろうとして、全体が崩れてしまっているようなところがある。

横浜の実家に戻る用事があって、この日は茅野へ移動。土曜日の移動で渋滞が心配だったけれど圏央道から中央道への接続で合流付近の混雑があったくらい。小仏トンネル通過時に、トンネル内で追突事故が起きたばかりの様子だったので、あの後はだいぶ混んだのではなかろうか。

食糧危機

オレンジ果汁の逼迫で、オレンジジュース製品の販売休止の動きが広がっているというニュースを観る。これは天候の異変による供給不足の話ではあるのだけれど、円安によって採算ベースでの輸入が出来なくなっているということでもあって、単にものがないという話ではなく、食糧自給の低さがもたらす問題のひとつの現れかたであるともいえる。状況が多面的に緊迫化するケースでは、交易条件が国内のカロリー不足をもたらすということも十分に考えられる。

『虎に翼』は予想通り、第一話の冒頭に回帰して、寅子はすくっと立ち上がって新時代の到来を体現する。優三の存在とは、つまり日本国憲法の理念の表出であるという考察が出回っているようだけれど、なるほどと膝を打つ。誰もが何になってもよいと宣言し、その幸せを祈るというのは、つまり憲法のなすところであるはずだ。

怪物の木こり

『怪物の木こり』を観る。冒頭からサイコパスぶりを発揮する亀梨和也というのは、なかなか画になっていてまず、それだけでもみられる感じ。菜々緒のプロファイラーというのも典型的な雰囲気で、何もかもそれっぽいというのが特徴の映画であろう。そうはならんだろうという物語設定ではあるのだけれど、ジャンル映画としてはそれなりの出来。小説が原作らしいのだけれど、うまいこと劇画になっていると思うのである。

この日は深圳から香港に出国して午前中のJALで帰国。移動しかしていないのだけれど、今週の『虎に翼』を木曜日まで視聴して涙する。第1回の冒頭に繋がって、物語は新しい段階にすすむ。

EV

高速道路でパンクしたBMWが何事もなかったかのように走行を続けている場面にお目にかかることなど想像しがたいが、それが現実というのが中国である。他のアジア諸国と大きく異なるのは自国ブランドのEV車がマジョリティを形成しつつあるように見えることで、テスラも混じっているとしてBYDやAITOといった新興メーカーは特に目を惹く。これが政策努力の結果であるというのは、やはり凄いことだと思うのである。この無数の実践がフィードバックされて、EVは独自の進化と市場を形成するに違いない。

白酒のある酒宴三日目。さすがに疲れてきたけれど明日は帰国。

全体最適

中国の生活には自走ロボットが溶け込んでいるのであろうと思う場面も多いけれど、既にしてやや草臥れている感じが否めない。この人たちがよく喋るだけに、その感慨は一層、深まる。

国内移動の飛行機はやや小ぶりのジェット旅客機ということもあり、基本的に混んでいるという話は聞いていた。この日の搭乗便は機内持ち込みの荷物が多すぎて出発することができず、調整のひと騒動があって遅延し、40分遅れて離陸。市街中心部の交通が、あまり変わらぬカオスであるということをみても、全体最適化はほぼ進んでいないイメージで、全要素の生産性向上が進行することによる経済の成長余地はまだまだあるというTFP論が根強いのも頷けるけれど、それが可能であるかはわからない。そのデザインされた秩序の獲得はバイタリティと引き換えに達成される偉業のようにもみえる。