アンメット

もう終わっちゃうのかと思いつつ『アンメット』の第11話を観る。どうにもならん状況から、感極まる瞬間が幾つも描かれ、手持ちのカメラがその心のうちを映しとる。寄りめの画角がまた、いい感じの雰囲気を醸している。おなかがすいて、ご飯が食べたくなるというドラマは圧倒的に信頼できるという法則にまた、新たな傍証が加わった。何しろ劇中のセリフが、咀嚼とは幸せに向けた運動だというのである。

新型ウイルスによる隔離のエピソードはいささか唐突の感が拭えないけれど、保険証や器の色みたいなやりとりが話に厚みをつける。全ての登場人物に見せ場があるというバランスが大団円の印象を強く残す脚本の出来も見事というべきであろう。間違いなく今クールいちばんのドラマだったと思うのである。

孫家兄弟

『ブラザーズ・サン』を最後まで。気合の入った家族の物語であれば、結局はこの相剋に至る。そこは予想通りで、ややツイストの入ったラストも悪くなくキレイな結末だと思ったけれど、エンドクレジットの最後には続編を匂わせるカットがあって、いや、マジすかという感じ。何でも続ければいいというものではないと思うのである。しかし人気はあったようだから、頃合いでシーズン2が登場するのであろう。

この日は日中の気温が30度を超えて上昇する。

口訳 古事記

町田康の『口訳 古事記』をAudibleで聴いている。町田康の文体とリズムはオーディオブック向きではなかろうかという予感はあったけれど、『古事記』の内容と相俟って、これが無茶苦茶面白い。神代の物語はもともと支離滅裂に聞こえるところがあるけれど、ワレ、ヌシ、ヤツガレで語られるとそのおかしさがやたら際立つ。ナレーターがまたよくて、これは笑える。

出勤

諸般の事情から土曜日が出勤日となることがたまにあって、いつも通り仕事。夜は土地の懇親会で、週末なのに稼働率高め。

この日は晴れたけれど、今年は遅い梅雨入りにもかかわらず、平年並みの梅雨明けが予想されていて、短期に多くの雨が降る傾向となるみたい。先日、市の水防訓練というのがあって、土嚢を作る講習のようなものもあったのだけれど、そうした想定が必要な日常というのもあるのである。

夏至

この日、二十四節気の夏至。太陽は北回帰線の上にあり、北半球では日の出が最も早く、日の入りが最も遅く、いちばん昼の長い日。ここを境に本格的な夏の始まりのはずだけれど、今年は甲信もこの日、梅雨入り。午前中は時おり雨。

コンテンツ

東京都知事選に史上最多の候補者が名乗りを上げ、56人が立候補したということが話題になっている。そもそも選挙ポスターの掲示板は48人の枠を準備していて、それを上回るということなのだけれど、48人もの想定があったということ自体は、都知事選が泡沫候補の晴れの舞台でもあった歴史を踏まえていて、YouTubeやXが愚行を収益に変える仕組みを提供していることが拍車をかけているということだろう。それぞれの花ありて野は楽しと言ってばかりもいられない感じで、とにかくこの臭気は耐え難い。そして悪貨が良貨を駆逐するが如く、選挙そのものが茶番となるとすれば、荒廃は必ず災厄を招くことであろう。

素数ゼミ

そういえば今年はアメリカの中西部で、17年と13年の2周期の素数ゼミが221年ぶりに同期して出現する年であることがかねて言われていたのだけれど、予定通り、既に数千億匹のセミが出現しているというニュースを見たのである。総数は1兆匹にもなろうという話なので、そのスケールをイメージすることも難しいのだけれど、現地で測定された鳴き声は90dBを超える音量で、つまり普通に身を置いていれば難聴の危険があるというほどなのである。ほとんど建国以来という時間軸だが、類似のイベントが他にあったろうか。

この日は晴れ。今週末にかけて梅雨のはしりのような下り坂が予想されているようだけれど、今日のところは実に快適な陽気である。