炒飯狙撃手

『炒飯狙撃手』を読んでいる。台湾を舞台とした警察小説であり、ヨーロッパの広域を舞台にしたスリラーアクションでもあって、ちょっと面白味のあるタイトルはこうした意外な組み合わせも連想させ、まず飯が旨そうという美点を際立たせている。退職目前の刑事が追う軍が絡んだ陰謀は、実際の軍艦汚職を題材にしているそうだけど、それ以上に飯のリアリティが全てを納得させていく感じ。面白い。

この日は羽田から北京に飛んで天津に移動。車の警笛が常に聴こえている。

探偵マリコの生涯で一番悲惨な日

『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』を観る。伊藤沙莉が歌舞伎町で店を経営する探偵という設定なのだけど、冒頭から謎の宇宙人が光を発し人体を蒸発させるシュールでサイケデリックな雰囲気。『発狂する唇』か『血を吸う宇宙』かと思ったけれど、それよりはキャラクターに関心を払っている様子はあって、であればこそ中途半端な感じがなくもない。新宿の異世界ぶりは微妙に後景に見える。マリコが活躍するという感じでもない、といような勿体なさがある。2人の監督の手によるいくつかのエピソードから全編が構成されているということだけれど、もしかするとそれに起因する印象かもしれない。

この日は夜移動して羽田空港前泊。

第8週

まだ第8週だというのに、こんなにも悲しい別れを描くとは。『虎に翼』の展開から目が離せなくなっているけれど、このまま失われたままになってしまうこともまた間違いないのである。この物語の時間軸の描き方には独特のリズムがあって、脚本も演出も質が高い。

この日、フィリピン近海で台風1号の発生が予想される。来週にかけて南西諸島へ接近するとみられているのだが、飛行機に乗る予定があるのでちょっと気になっている。

アウトブレイク

The New York Timesはミシガン州の酪農業者が、H5N1鳥インフルエンザに感染したことがわかったと速報で伝えた。2022年のコロラドでの症例に続く2件目で、すでに回復して症状も軽いという話だが、次のパンデミックはインフルエンザになるというのが大方の見方であれば、これらの事例のうちに、そのきっかけとなる可能性があるということだろう。

赤紙

『虎に翼』は、直道の出征のショックも冷めやらぬというのに轟にも赤紙が届く。国民服もモンペも徐々に物語に入り込み世相はいよいよ暗く、この後には優三の戦没という衝撃が待ち構えているに違いないのである。なんてことだ。

この日、日本の10年もの国債の金利は11年ぶりに1%を上回る。金利のある世界への移行を先取りしているというよりは、非伝統的な金融政策の行き詰まりを見越しているという状況ではないか。この冒険主義のツケを払うことになるのはもちろん、すべて国民なのである。

Craft

週も始まったばかりだというのに、一次会がカラオケ屋という学生ノリの飲み会。この一団の他は、一人カラオケの客がちらほらという感じで、世間的に見ても異様であるに違いない。

このところ、メモアプリの運用に飽きていたのだけれど、この病も完治することはないので再びCraftを使い始めている。微妙につくりが変わっているし、以前よりもエディターとしての速度は上がっているような気がする。悪くない。

デジタルボイス

Audibleで岩波新書の『感染症の歴史学』を聴く。はじめてAI音声で収録されたオーディオブックを聴いたけれど、ニュースのAI音声と同じく、ほとんど違和感のない発声なので、こうしたコンテンツが増加していっても不思議はないと思ったことである。一方で、俳優を起用した作品も多くなっているような気がするけれど、二極化がすすむのではなかろうか。

この日、イランの大統領の乗ったヘリが墜落したことが報じられ、追って搭乗者全員の死亡が確認される。中東の不確実性は高まる一方で何がどう転んでも不思議ではない。