Chance to winning

アメリカ大統領選挙の結果の判明までは、もしかしたら何日かかかるのではないかという想定も、今となっては希望的観測というもので、開票の経緯はみるみる赤の選挙人が積み上がっていく様子を伝え、日本時間の夕方前にはトランプの勝利確率が95%を上回る。やれやれ。合衆国の国民がこのような選択をしたことを、歴史がどのように振り返るかは今後にかかっているけれど、ほんの数年前の混乱をなかったことにするが如くのこの国家的健忘症はどんな教訓も無効化して必ずや大いなる厄災を呼び込むであろう。

ようこそ、ヒュナム洞書店へ

ファン=ボルム『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』を読んでいる。奥泉光の長大な小説の合間に読むのがちょうどいい感じ。本邦では喫茶店、食堂、本屋などを舞台に日常を描く小説のジャンルが隆盛を極めているけれど、韓国でも似たような感じなのかもしれない。今や両国の文化は互いに大きな影響を与えているようである。著者はLG電子の技術者だった経験があるみたいだけれど、激しく競争に駆り立てられる社会から自主的に撤退して自己を保とうという人たちのさまざまな生き方を肯定するストーリーは静かだけれど奥行きと読み応えがある、面白い。ドラマになってもおかしくない話だけれど、そこは本で読むべきであろう。

H3 4号機

この日、H3ロケットの4号機が種子島宇宙センターから打ち上げられる。リアルタイムで過程を説明するJAXAのプレゼンテーションは一般向けに練られた丁寧なもので、簡単なテレメトリがわかるくらいだけれど臨場感があって面白い。衛星分離までなんとなく見入ってしまう。積み荷の防衛通信衛星は無事に軌道に乗ったようである。

中村義洋監督の『ポテチ』を観る。10年以上前に観たことがあるのだけれど、濱田岳や木村文乃が出ている伊坂幸太郎原作の中編で独特のリズムと空気感があって楽しめる。若い松岡茉優が美人局の役回り。2012年の映画であればそれほど昔のものとは思えないのだけれど、固定電話の留守番メッセージが重要な小道具となっているので、人よりも風俗に時代の変化を感じざるを得ない。

『海に眠るダイヤモンド』は第2回。今回も60分の拡大枠という大作の風格で、行方のわからない話だけれど、その話が面白いので全くダレるところがない。引き続き楽しみにしている。

虚史のリズム

ウチの坊やが久しぶりに帰ってきているので、諏訪湖周辺をウロウロして新蕎麦を食べたり、お参りをしたり。ついでに久しぶり書店を探索して、奥泉光の長大な新刊と韓国小説を買い求める。よく考えると、新刊が出れば条件反射で買う日本人の小説家は、今や奥泉光くらいになっているのではなかろうか。一方、韓国の小説はよく読んでいるという自覚がある。

奥泉光『虚史のリズム』はA5で1,100ページを超える物理的な大作であり、得意の戦中から戦後の物語であり、登場人物の他作品からのクロスオーバーも多いらしいので、年末にかけてじっくり読もうと思っている。何しろ、ずっしりと重いので気軽に持ち歩ける感じでもないのだけれど。

元台風21号

今年最後の三連休初日。温帯低気圧となった台風21号は、しかし日中をかけて東へ移動するにつれ日本列島に大雨を降らせる。元台風21号と呼称されているあたり、凡百の温帯低気圧とは少し違う貫禄があって、この地でも朝から降り続けた雨が夕方にかけて雨足を強める。ラニーニャ現象の影響で北米大陸では乾燥と旱魃が広がっており、農作物にも大きな影響が出ているというニュースをみたから、気候の極端化は人間の都合とは関係なく進行する。

久しぶりの『ブラタモリ』は京都・三条大橋からスタートして三夜連続の放送という趣向。テーマ曲は小沢健二の『ぼくらが旅に出る理由』、ナレーションもあいみょんに変更となり、レギュラー番組の時代は既に過去のものである。

大洪水

台風21号は台湾の近くで勢力を再び増し、一時はスーパー台風となって被害をもたらす。降水量の増加により温度の高い淡水層が広がり、比較的に冷たい海水層を封じ込めるので、陸地近くで急速に勢力を増す台風やハリケーンが増えているというのである。理に適っている。もちろん、降水量の増加は気候の温暖化とそれによる大気中の水蒸気の増加によりもたらされる。

一方、ヨーロッパでは、スペインのバレンシア地方で8時間で1年分の降水量ともいわれる大雨があったという。ニュースの映像は普通の洪水被害のイメージを越えたインパクトで、大量の車が流されて道路を塞いだ様子は只事でない様子を如実に伝え、何かモードが変わったのではないかと思わさずにはおかない。

計算資源

今週、Macのラインナップが3日続けて更新されたけれど、西海岸でインフルエンサーを集めて実施された実機でのハンズオンの動画が解禁になっているところをみると、MacBook Airの発表は無しで、iMac、Mac mini、MacBook Proの三つで打ち止めということらしい。Airの前にProを売りたいだろうから販売戦略としては理に適っている。今回の目玉は大幅に筐体が小さくなったMac miniということになると思うけれど、気軽に買って邪魔にならないサイズとはいえ、そんなにいくつものCPUが必要というわけでもないので踏みとどまっている。