GAMERA -Rebirth-

『GAMERA -Rebirth-』のエピソード1を見る。このガメラのスタイリングは平成ガメラをほぼ踏襲していて、もちろん期待は高まる。ギャオスから始まる物語であるのも、何かとわかっている感じだけれど、CGアニメ特有のキャラクターになれるのは少し時間がかかる。この不気味の谷の作用には興味深いところがあって、慣れるとさほど不自然にみえない。そしてアニメなりに作り込まれた画面もあって、それなりに楽しめる。

世界観も悪くないのだけれど、まず米軍が東京上空での空中戦を始めて、自衛隊が後景にあるらしい事情は、この時点ではよくわからない。渋谷大炎上に比すべき場面がエピソード1のクライマックスなのだけれど、どうやらモブを描くのは苦手らしく、背景はほぼ無人というのがやや残念なところ。逃げ惑う群衆が欠落しているのは、怪獣映画としてのこの物語を方向づけることになるのではなかろうか。

亡霊を追う

『インベージョン』シーズン2の第2話を観る。配信はもう3話目となっているのだけれど、Apple TV+は何かと影が薄くて油断していると消化が追いつかない。『ファウンデーション』のS2に手をつけていない状況も変わらず。それぞれが鬱屈を抱えたまま再開した本作の昏さは悪くない感じで、主要な登場人物についてのリキャップもだいたい完了というところだけれど、今のところ、どこに向かおうというのかは皆目見当がつかない。それをいうならシーズン1から、そういう感じだったとして。

都内では新型コロナの拡大によってバスの乗務員さえ不足しているというニュースが流れる。処方薬さえ不足する事態にあって、なお感染は拡大している状況で、このまま冬を迎えるということであろうか。米国でもマスク推奨の流れが戻ってきているそうだが、このニューノーマルはかなり無理筋ということではなかろうか。

もういちど教えてほしい

『GAMERA -REBIRTH-』の配信が木曜日に迫っているのだけれど、それに合わせてNetflixが平成ガメラ三部作を推してくるので、『ガメラ3』のエンドタイトルを眺めつつ、『もういちど教えてほしい』を聴いて、大阪の夜、トリロジーの結末を見届けた往時のことを思い出す。もう四半世紀前の話である。いやはや、そしてガメラが何度目かの再誕を果たそうというのだ。

熱帯低気圧に変わった元台風12号が列島上空に居座るこの日、台風13号は週末にかけて関東をかすめ北上する見通しだという。朝方の気温はやや下がってきたけれど、引き続き夏に近い日中の気温が続いている。とはいえ、この台風が去る頃には、さすがに秋らしい気配が漂うには違いない。

M3GAN

『M3GAN』を観る。ジェームズ=ワンが製作に入っている2023年のスリラー。ファービーみたいな子供用玩具を作るメーカーが何故か、本格的なAI人形の開発に手を染めており、みるからに危ない目つきのプロトタイプに自分の姪の世話をさせた開発者が案の定、トラブルに巻き込まれる。話の筋には意外なところが何もない典型的なジャンル映画だけれど、お約束通りの面白さというのもあって、全体の雰囲気は悪くない。劇中のM3GANはCGかと思いきや、若干12歳のスーツアクターが演じていて、Behind the Scenesが結構、面白い。このアンドロイドの異様な動きは、彼女の実演によるものだというから感心する。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を観る。A24制作でアカデミー賞の作品賞を受賞しているだけあって、ただのマルチバースものにあらず、まずあらゆる可能性の行き止まりのような人間関係を踏まえた話ではあるけれど、気合の入ったカンフーアクションが、これはこれで素晴らしい。もとはジャッキー=チェンにあて書きされたところがあるようなのだけれど、なるほどこのカンフーパートはそうしたものに違いない。

そして、ダニエル=クワン監督は湯浅政明らのアニメにインスパイアされたと話しているらしいけれど、それも腑に落ちる。アメリカ国税庁の垢抜けない事務所を主な舞台としていればこそ、映画の編集の力というのは多重世界をすら表現することができるのだと感心したのだが、それは日本のアニメが得意とする仕事でもある。とはいえ、ここで描かれている多様性は、アメリカであればこそ顕現したもので、本邦はその入り口にすら立っていない。

ONE PIECE

Netflixで配信の始まった実写版の『ONE PIECE』を観る。予想以上にちゃんとしたONE PIECEで、ファンの厳しい基準を高いレベルでクリアしている印象。本邦なら大友啓史の映画のごとく、オリジナルのイメージに寄せるために膨大な努力が投じられている。新田真剣佑のゾロはカッコいいし、何かと悪くない。シーズン1は全8話の一挙配信で、どうやら東の海編をカバーしていて、そうなるとだいぶ長大なシリーズにすることも可能ということになる。

仔細はだいぶ違うのだろうけど、そういえばこういう話だったと思いながらぐいぐいと観て、5話くらいまで一気に。仲間が集まってくる話だから少年ジャンプ的に面白いし、密度が濃いので切りどころがわからないのである。よく出来ている。

イダリア

フロリダのハリケーンは平常運転という不謹慎をつい先日、述べた覚えがあるのだけれど、そのイダリアは過去125年で最も強力といわれるほどの大きさで、高潮と強風で甚大な被害をもたらしたという。気候変動のような変化を実感できない問題に人間は正面から取り組むできないというのが行動経済学の定説ではあるけれど、その前提を自然の方から変更しようというのである。これが地球沸騰化の実相ということになる。そして、この夏の平均気温は過去最高を記録し、なお続く日本の夏。暦の上では9月である。