舟を編む

『舟を編む』を観る。映画、アニメと映像化されてきた小説の改めてのドラマ化というのは、どんな感じかと思ったけれど、NHKらしい丁寧な映像と、凝った演出で、これはなかなかいい感じ。主人公を池田エライザとした視点の変更で、新たな位相を得た様子。脚本の蛭田直美が膨らませた物語は、かなり上等な創作になっている。野田洋次郎の馬締光也も、香具矢が三村里江というのも、絶妙なキャスティングではないか。早くも続きが楽しみになっている。

この日、火山噴火予知連は阿蘇と北海道の駒ヶ岳で火山活動の高まりがみられるという評価結果をまとめる。もちろん、それが大きな噴火につながるということがいえるものではないけれど、各地の地震がどうも不穏を感じさせる春。

オンエア

『さようならマエストロ』の最新話を配信で観る。考えてみるとリアルタイムでオンエアの放送を観るドラマといえば、大河くらいで、TVerすら使うことなく、すっかり配信プラットフォームに依存した視聴習慣となっている。まず、明らかに快適なので、これを改める気もないのだが、テレビという媒体は急速に埋没していくに違いないと改めて思う。そのドラマの方は、話を大きく広げ過ぎず、1話完結のエピソードを大事にした作りで安心して観られる。面白い。

この日、気温の上昇とともに強い雨足となって、カーナビは予想される付近の豪雨を警告する。感じとしてはもはや春。

ヴァチカンのエクソシスト

『ヴァチカンのエクソシスト』を観る。実在のエクソシストとその回顧録を題材にしているというわりにはファンタジー方向に話はすすみ、実録というにはだいぶ無理がある。似たような趣向ではアンソニー=ホプキンスの『ザ・ライト』があって、実をいうとあちらの方が好み。とはいえ、ラッセル=クロウの仕事ぶりは堂々としたもので、ひとりで話をひっぱっているようなところがあって、これは悪くない。他の登場人物の影か薄いということでもあるのだけれど、100分そこそこの尺なので、のんびり観る分にはちょうどいい感じ。

この日、日中の気温は10度を上回って春の陽気。週明けからは、しばらく雨が続くという予報で、2月の様子ではないのである。

構造化

故あって、15ページほどの文章をプレゼンのスタイルに仕立てる必要が生じる。PowerPointの資料作成には膨大な経験の蓄積があるので、さして面倒な作業でもないと思っているのだが、せっかくなのでマークダウンからスライドを作成するタイプのツールを探索してみる。

いくつかあるだろうと思っていたのだけれど、この生成AIの時代にあってはChatGPTとの組み合わせも含めて、ちょっと驚くくらいのツールとそのバリエーションが誕生しているみたい。考えてみれば、テキストの生成AIとの相性は非常にいいジャンルだろうから、WYSIWYG系のツールの雄であるPowerPointがCopilotの搭載を急ぐのも、もっともな理由があるということなのだ。

かくのごとくしてAIは、自然と人間の思考と主張を侵食していく。筋道の通ったプレゼンが増えたとして、もはやそれは人間の仕事ではない可能性がある。

ハピネス

『ハピネス』を観る。コロナを経験した後の韓国、摂取すると人間がゾンビ化する薬剤が流通し、格闘の果て感染を疑われた警官は隔離されてしまう。パンデミックと感染症対策の雰囲気がうまく使われていて、さすがスタジオドラゴンというクオリティだし、ゾンビ映画の作法を弁えた演出もうまい。2021年の段階でこういう話が出てくるスピード感とバイタリティは大したものである。しかし、年嵩の役者に高校生を演じさせるシーンを入れなければいけないという決まりでもあるのだろうか。

春一番

この日、気温は急上昇して2月としては記録的な高温を観測して、関東では春一番が観測されたそうである。先週の雪はこのあたりでもほとんど溶けてなくなる。この傾向は全球的な温暖化の結果で、北極圏の気流の変化が遠因にあり、したがって急速に気温が下降するという展開もあるに違いない。いわゆる激甚化の一環なのである。

桜島

この日の夕刻、桜島で爆発的な噴火が起き、噴煙は上空5,000メートルに達する。夕暮れを背景として、火山雷をともなって噴火する様子は畏敬の念を抱かずにはおられない光景である。それに先立って、別府の鶴見岳でも火山性の地震が観測されており、ちょっと不穏な感じがしなくもない。だいたい、身構えてしまうほうである。